ランボルギーニジャパン、オーナーを対象としたドライビン…

◆ランボルギーニジャパン、オーナーを対象としたドライビングスクール開催

6月12日に富士スピードウェイ・テストコースで「ランボルギーニ・ドライビング・エクスペリエンス」を開催する。一般公道では試すことのできないコーナリング、ブレーキングでの限界点や姿勢変化を自分の車で安全に体験することができる。参加料は4万5000円、同伴者は5000円(昼食を含む)。

<2004年5月12日号掲載記事>
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ランボルギーニジャパンが今回開催を予定するドライビングスクールは、オーナー限定12名(台)を富士スピードウェイに招き、レースドライバーの指導のもと、公道では体験できないスポーツドライビングを安全に楽しんでもらうというもの。

一般庶民には縁遠い世界にも思える。しかし、将来もそうであろうか。
近年の自動車の高性能化は、ユーザーの利便性、安全性を向上させ、自動車社会それ自体にも変化をもたらしている。先行車に追従し、自動で加減速するシステムも普及しだしており、将来を考えると、自動運転も現実のものとなるのだろうと思えてくる。

一方で、クルマは「自動運転が当たり前」という時代が来たら、と想像してみると、自動車社会も様々な意味で変わるような気がする。

クルマ、主に乗用車は、「移動手段」というのが本来の使命、目的と言えるだろう。しかし、ランボルギーニを始めとする高級スポーツカーのオーナーにとってみれば、「運転する楽しみ」、「ステイタス」という、まったく別の意義も大きいはずである。

「運転する楽しみ」は、自動運転が当然の世の中になったときに、自動車メーカーはどうやってユーザーに提供していくのであろうか。

現在も「利便性」「安全性」「環境対応」の向上といった大きな流れがあり、運転が完全に自動化されるような時代となれば、運転という側面での他社との差別化や魅力を訴えることは難しくなるのではないだろうか。また、環境対応のための規制等が更に厳しくなっていけば、現在も一般公道の規制の中ではもてあましているような「移動手段」として必要されるレベルをはるかに超える走行性能での優位性を保つことができるのであろうか。
将来のことなので、答えを持ち合わせているわけではないが、一つのアイデアとして、「移動手段」としてのクルマと、運転を楽しむ「レジャー」としてのクルマが社会的に分離することはないだろうか。

「移動手段」としてのクルマは自動化されるような時代となった時にも、今回のイベントのように、郊外のサーキット等で、週末にスポーツカー等の運転を楽しむことができるような機会があれば、「運転する楽しみ」も充実するように思える。

現在クルマを運転する人には、それぞれの目的、意味がある。社会的にも需要の高い「利便性」「安全性」「環境対応」については今後も飽くなき向上が続くであろうが、自動車が単なるコモディティにならないためにも、「運転する楽しみ」の維持・向上も忘れないで欲しい。

「Drive Your Dreams.」「SHIFT_the future」「The Power of Dreams」等未来や夢をキャッチコピーにしている自動車会社は多い。

昨今自動車業界では、暗い、悲しむべきニュースも多いが、一方で元気で勢いのある企業も少なくない。楽しく夢のある未来の自動車社会の実現を期待したい。

<本條 聡>