AYAの徒然草(66)  『あなたの趣味はなんですか?』

仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。

……………………………………………………………………………………………

第66回 『あなたの趣味はなんですか?』

私は最近、晴れの日は、平日でも朝 5時半に起きて、数 km ですが家の近くを走っています。お天気の良い日は、朝、ひとっ走りしてから会社に来ているんです。朝は空気が清々しいので、その中を走ることはとても気持ちがいいのです。それに、近くの公園では、朝日を浴びた緑や花々が美しく、そんな景色を見ていると移り変わる季節を肌で感じることができ、とても得をした気分になります。その後に家に戻ってから食べる朝ごはんもとても美味しく、つい食べ過ぎてしまいます。でも、朝から全身にパワーがみなぎるんです。会社に着くころには、もうエンジン全開になっています。
もう一つ最近始めたことがあります。それは、野菜を中心としたお料理のレシピを考えることです。本や雑誌、それにネットに載っているようなプロの料理家などが考えたレシピ通りに作ることになんとなく飽きてきて、最近は、自分で新しいレシピを考えるようになったんです。美味しさだけではなく、旬の野菜を中心に使い栄養のバランスも考慮しながら新しいレシピを考えることがとても楽しいのです。今の季節ですと、アスパラガスやそら豆、セロリなどを使ったレシピを中心に、ああでもないこうでもないと試行錯誤しながらも、新しい美味しさを発見しています。

さて、私は、「走ること」も「お料理」も前から好きでしたが、でも、今、この二つのことに特に凝っているのには理由があるんです。それは、ある私の憧れの女性の影響が大きいからなんです。さて、誰だと思いますか?みなさん、モデルの長谷川理恵さんってご存じですか?もしかすると最近は、「マラソンランナー」の長谷川理恵さんとご説明した方がピンと来るかもしれません。本業は雑誌のモデルですが、最近は、趣味のマラソンを活かして、走ることの素晴らしさや美しいプロポーションを維持するためのトレーニング法などを雑誌やテレビ・ラジオなどで紹介しています。それに、理恵さんは、野菜ソムリエの資格を持っていて、その知識を元に健康を意識した野菜中心のお料理作りをテレビや雑誌で紹介しています。お料理の本も出版しているんですよ。

そんな多趣味な理恵さんが自分のライフスタイルを披露するトークショーなどもさかんに行なわれていて、私も先日行ってきたばかりです。トークショーでは、マラソンの話が中心でしたが、最近サーフィンにも凝っているというお話や、また、意外とお酒も大好きというお話もされていたので、なんだかとても身近な存在になり、私は理恵さんに親近感がわいてきたんです。

実際に理恵さんにお目にかかって思ったことは、目が大きくて丸くてとてもかわいらしいのですが、そのかわいらしい目の奥には、彼女の強い意思というか、仕事やマラソンに対する熱い想いが秘められているような気がして、私は彼女の「目」の中に、彼女の真の強さを感じました。また、ほんのり小麦色の肌で、痩せすぎず均整のとれた筋肉質なスタイルが、私にはとても健康的に見えました。そんな長谷川理恵さんは、私にとって憧れの女性の一人なんです。
趣味のマラソンによって本業であるモデルに奥行きを持たせ、もう一方の趣味である野菜ソムリエの知識を活かしたお料理作りで、自分自身の健康維持はもちろんのこと、仕事の幅も大きく広げていると思うんです。

ところで、みなさんは、「あなたの趣味はなんですか?」と聞かれたら、胸を張って答えられる趣味を持っていますか?私は、初めて会う男性と話すとき、会話の途中で必ず趣味を聞くようにしているんです。「趣味」という言葉を出さないにしても、必ず「オフの日はなにをして過ごしていますか?」と聞くようにしています。これは、自分と趣味が合うかどうかの確認の意味ももちろんありますが、実は、趣味を聞いて私はその人の仕事をしている姿を想像しているんです。その人の「趣味」を聞いただけでも意外といろんなことがわかるんですよ。

一番多いのは、「趣味はゴルフです」と答える人です。そして、この答えが返ってきたときには、私はその次の質問、「どのようなメンバーでプレイすることが多いですか?」とセットで聞いています。ゴルフはスポーツですが、「社交の場」でもありますよね。だから、「誰と」プレイしているのか、という点がポイントなんです。同僚や部下、それに会社のほかの部署の方など大きな括りで「仕事関係」の人たちとプレイすることが多いのか、それとも、全く仕事とは関係ない人たち、たとえば、学生時代の友達やほかの趣味で知り合った友達や、またはこれらのどれでもない全く違う世界の人たちとなのか、という違いで、その人の「人脈の広さ」が想像できるんです。

プライベートで多くの「人脈」を持っている人は、仕事上でも人脈作りが上手な人です。仕事上、人脈はなくてはならないものですよね。そして、社内の人脈は、比較的簡単に築けるものなんです。しかし、それに比べて全く関係ない世界の人たちと新しい人脈を築いていくことは、とても難しいのです。それができる人は、行動力があり、明るくて万人に好かれるようなタイプの人が多いのです。
また、趣味は「読書」という方は、趣味と言い切れるほど本を読んでいるんですから、その人の知識は専門性があり、なにか一つのことを極めているか、もしくは広く浅くいろんなことを知っている人が多いです。つまり、薀蓄を語り、独自の世界を持っている人が多いような気がします。こういう人は、一人の人としての奥深さがあるので人間的な魅力を感じるものです。仕事では、きっと、読書によって身についたいろんな知識を、知らず知らずのうちに活かしていると想像します。

そして、なにか好きなものを集めることが趣味の人もよくいます。いわゆる「コレクション」です。ものを集めることが趣味という人は、情報収集も上手なんです。効率的な情報収集は、仕事上でも大事なスキルの一つですよね。コレクターの「収集ワザ」は、仕事にも活かされているような気がします。また、一つのことに執着するとそれを集めたくなる人は、興味のないことにはあまり目がいかないのですが、興味のあることには一途になり、情熱的な人が多いと思います。それに、「もの」への愛着がある人なので、気に入ったもの(人)は、とことん大切にするんです。
さて、胸を張って言える趣味をちゃんと持っている人は、こんなふうに仕事にも良い影響をもたらしている人が多いように思います。もちろん、中には仕事をそっちのけで趣味に没頭してしまう人もいますが、でも、なにごとも精力的になれる人は、「趣味」と「仕事」の調和を取ることが上手いと思うのです。
私の憧れの女性、長谷川理恵さんも、そんな調和を取ることがとても上手い人の一人だと思います。調和というよりも、趣味が仕事に活かされたり、また逆に、仕事が趣味にも良い影響を与え、仕事と趣味を同じように楽しんでいます。それに、理恵さんはこんなこともおっしゃっていました。理恵さんは、マラソンを始めてからというもの、以前よりも粘り強くなり、それに、とても前向きな性格になったそうなんです。そんな粘り強さや前向きな姿勢も、きっと仕事に活かされているに違いありませんよね。

私は、仕事と趣味の調和の取れた長谷川理恵さんのライフスタイルがとてもステキだと思うのです。最近の言葉で言うなら、「ワーク・ライフバランスが取れている」という表現がぴったりだと思います。しかし、「ワーク・ライフバランス」とはまず会社が取り組むべきもので、会社が従業員の働きやすい環境を整える施策のことだと解釈している人もいますよね。もちろん、それも必要だと思いますが、でも私は、理恵さんのように、まずは今の自分の生活の中で「仕事」も「生活」(趣味)も楽しむために、自ら努力してみることが先だと思うのです。

つまり、仕事ばかりしていないで、のめり込むような「趣味」を作り楽しみ、「仕事」と「生活」(趣味)にメリハリをつけることが大切だと思うのです。そうすると、自然と「仕事」の効率化を図り自分の時間を多く作ろうとします。そんなふうにして自ら仕事と趣味の時間の好循環を作っていくことが、本来の「ワーク・ライフバランス」だと思うのです。
そんな理想にはまだまだ遠い私の「ワーク・ライフバランス」ですが、でも、まずは胸を張って言える趣味を継続させてみたいと思います。さ~て、明日の朝もがんばって早起きをして走りますよ!!

<佐藤 彩子>