AYAの徒然草(79)  『「夢」の話だけど夢じゃ終わらせない!』

仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。

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第79回 『「夢」の話だけど夢じゃ終わらせない!』

みなさんは、朝、目が覚めたときに、「あー、今日はなんか夢を見たような気がするけど、でもなんの夢を見たか覚えてない・・・」って思うこと、ありませんか?思い出せない、でも夢を見たことは覚えている・・・。そんな、モヤモヤした気持ちから始まる朝ってありませんか?

私はよくあります。朝からなんとなくすっきりしない気分になります。そんな気持ちのまま会社に向うのはいやだなぁと思いつつも、朝の身支度に時間的な余裕がないものだから、いつの間にか忘れているんですけどね。家を出て、電車に揺られている間に、そんなことはすっかり忘れて仕事のことに思考が切り替わっているのです。

ところで、先日、新聞で、脳科学の研究が進み「夢の映像化に成功」という記事を見つけたんです。人が目で見ている文字や図形を脳の活動から読み取って 、 コンピューターで再現させる技術が開発されたらしいのです。
この技術、ものすごく素晴らしいことじゃありませんか?興味津々なのは私だけでしょうか?だって、寝ている間の、つまり自分が無意識なときの脳の活動を知ることができるんですよ。少なくとも、私が経験しているような朝のモヤモヤした気分を解消することには役立ちそうですよね。私はこの記事を読んでとてもワクワクしてきて、この技術の開発が進んだら、もっといろんな可能性が広がるんじゃないかなぁと思ったのです。

たとえば、寝ている間の脳活動だけじゃなくて、起きている間の脳の活動を読み取り瞬時に映像化できれば、言葉を口に出さなくてもコミュニケーションがとれますよね。そして、その映像を、携帯電話など私たちの身近な IT 機器に簡単に映し出すことができれば、とっても便利なコミュニケーションツールになると思うのです。
それは、こんなシチュエーションに使えそうです。映画館で映画を観ているとき、周りに迷惑を掛けずに彼と普通に会話ができます。「この女優、とてもきれいだね。」、「今出てきたこのお店、どこだろう?行ってみたいね。」、「このシーン、感動的!涙が出そう。」など、瞬時に思ったことを「文字」として頭でイメージし、携帯電話の画面に映して見せ合えば、映画館で映画を鑑賞しながら会話ができ、デートが一層楽しくなりそうです。
また、誰かとケンカをして仲直りをしたいのに、なかなか自分から「ごめん
なさい」と言うのが恥ずかしいときなんかにも重宝するかもしれません。「本当にごめんなさい!私が悪かったの。許して。」と素直に言うのってなかなか難しいですよね。でも、このツールがあれば、相手に言いにくいことでも、思うだけで伝えることができます。
もっとまじめなことを言えば、耳の不自由な方と会話をするときに、とても役立ちそうな気がします。手話ができなくてもコミュニケーションが成り立つからです。言いたいことを頭の中で文字として思い浮かべてもらえばいいのですから。こんなふうに医療にも大いに役立つと思うのです。
医療と言えば、入院中の患者さんの心理状態を画面を通じて映し出すモニターを開発すれば、患者さんにとっても、医師や看護師にとっても、便利で安心な機器になると思うのです。患者さん一人ひとりの「心理状態モニター」をナースセンターで一元管理するんです。そうすれば、医師や看護師が患者さんを巡回する回数を減らすことができます。このように医師や看護師の業務を少しでも軽減すれば、今問題になっている医師不足や看護師不足も解消されるかもしれません。また、それよりもなによりも、患者さんの病状が急変した場合などに、看護師がすぐに気づいていち早く処置をすることができるので、患者さん自身も安心だと思うのです。こんなふうに私がいろいろと想像している「脳内画面」は、楽しくて便利なツールになりそうな気がしてきました。早く開発が進まないかなぁと思います。
しかし、弊害もありそうですよね。頭の中で少し考えたり想像しただけなのに、それが勝手に映像化されて思いもよらず相手に伝わってしまう、なんてこともありそうです。すなわち、人の心の内を簡単に覗くことができるようになってしまうのです。そうなれば、個人情報保護法ならぬ、「脳内情報保護法」なんていう法律もできちゃうかもしれませんね。

さて、朝、目が覚めたときのはっきりしない夢の話から、寝ている間に見る夢の映像化と再現の技術についてお話ししていたら、自分が描く「自分の将来の夢」まで見てしまいそうになってきました。
その自分が描く夢、つまり「将来こうなりたい、ああなりたい」「今年はこれを実現させたい」といった「夢」ですが、こちらの夢は、自分の「強い思い」と「行動力」があれば必ず実現すると私は信じています。
だって、今、みんなが使っている携帯電話などの文明の利器は、誰かが「こんなものがあったら便利だよなぁ」とか、「こんなものがあったら楽しいのになぁ」と思ったその「思い」が実現させたんですよね。さきほどの「寝ている間に見る夢の映像化」の技術だって、研究者が「夢を映像化して再現させたい」という強い思いから開発された技術だと思うんです。このように、人間の「強い思い」が「もの」を作ることができるんですから、自分のなりたい姿や自分の人生そのものを、「自分の思い」で自分の思う通りにできないわけがありません。つまり、自分の夢を実現させるのは脳科学でもなく、無論周りにいる人でもなく、自分自身の「強い思い」と「行動力」だよなぁ、とつくづく思うのです。「自分自身の夢」のコントロール技術は、人間が潜在的に持っている自己実現力なんです。
今年は、世界同時不況の波紋で、暗いニュースで持ち切りでした。来年は明るい兆しが見えてくるといいですね。来年は、一人ひとりが「明るい夢」を持ち、そして一人ひとりがそれを「強い思い」で目指し、そのみんなの夢が一つにまとまって「みんなが見たい明るい夢」を実現することができたら、来年は明るい年になるような気がします。
今年もあとわずかですね。弊社のメールマガジンも今日が今年最終号です。少し早いですが、みなさん、良いお年をお迎えください。そして、来年も、私が「強い思い」で書き続ける「AYA の徒然草」の応援を、どうぞよろしくお願いいたします。

<佐藤 彩子>