トヨタ、開発中の高級スポーツカーに4500ccV10エンジンを…

◆トヨタ、開発中の高級スポーツカーに4500ccV10エンジンを搭載し、発売へ
高級スポーツカーを2006年末から2007年初頭に発売する方針を固めた。
V10エンジンはF1エンジンをベースにヤマハ発と共同開発し、「レクサス」ブランドでの販売も検討。価格は1500万~2000万円、年販1200台程度を計画            <2004年02月06日号掲載記事>
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生産能力の高さにおいて、現時点で世界を圧倒している日本の自動車メーカー
に不足しているものの一つが「ブランド」力と言われる。一概には言えないが
高い技術・性能という点ではドイツの高級車メーカーに引けを取らないにも
かかわらず、全体の設計上のテーマ性とも言えるブランド力において、日本の自動車メーカーは相対的に低く評価されることも少なくない。
日本の自動車メーカーが販売台数躍進が著しい米国とは異なり、欧州で苦戦を強いられている原因の一つも、欧州でのブランド力の弱さという説も多い。プレミアムスポーツカーの開発・販売やモータースポーツでの成功は、このブランド力の向上に、直接貢献する手段として挙げられる。
1990年に誕生したホンダNSXは、1台800万円を超える価格設定にもかかわらずバブル期という時代もあり、発売直後にはプレミアがつくほどの人気商品となったが、この高価格商品を支えたブランド力の背景には、当時同社が最強を誇ったF1での成功があったことは言うまでもない。
日本の自動車メーカーのブランド力強化のためにも、業界の先頭に立つトヨタのフラッグシップスポーツカーの誕生が楽しみであると同時に、参戦3年目となるトヨタF1チームの活躍も期待したい。

<本條 聡>