自動車技術 あったらいいのに なくていいかも(1)

昨今の自動車の技術革新には目を見張るものがありますよね。パンクしても走れるタイヤ、自動で縦列駐車する車、カーブに合せて減速する車など、それこそ挙げだしたらきりがないくらい。
一昔前じゃ考えられなかったようなことが、いつの間にやら当たり前になっていたりします。
しかし、そんな中にも、ユーザーの視点から見ると、最初は喜んで使っていたけどいつの間にか使わなくなるもの、ここが改善されればもっと便利になるもの、何故か昔からあまり変わってないもの、など一言云いたくなるものも少なくないと思います。このコラムでは、そんな自動車の技術・部品・機能について、自動車を愛する1ユーザーの立場からの提言を、徒然なるままに書きたいと思います。

『第1回 サンバイザー』

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第1回は20世紀からほとんど変化がないのが不思議なサンバイザーについてです。フロントウィンドウ上部に格納され、太陽などが眩しいときにウィンドウ側に下ろして遮光する、誰もが知っている、所謂「日よけ」です。ほとんどの車についているこのサンバイザーですが、20年前と根本的に何も変わってないのを不思議であり、なんとかして欲しいと思うのは、私だけでしょうか。
勿論細々とした部分では進化しています。サイドウィンドウ側にも回転し、お約束程度のカードホルダー、助手席にはバニティミラーが付き、高級車ではミラーの開閉に合せて照明がつくものまであります。
しかし、手動で倒して使用するという基本構造は変化がないようにも思えます。
もっとも、今のサンバイザーに何ら不満がない人も少なくないとは思います。ただ、使用時に圧迫感を感じる人も少なくないはずです。
実際、太陽光の大きさを覆うのはフロントウィンドウ上で直径10cmもあれば十分なのに、あの約30×15cmの平板を下げると、フロントウィンドウが狭く感じられ、信号も見難くなったりするのは非常に残念です。
太陽自体の位置、進行方向、運転者の身長(座高)、シート位置等によって遮光が必要な箇所が変わりますし、そもそも道交法の問題上簡単にフロントウィンドウの仕組みを変えることは難しいことは承知しておりますが、何とかならないものでしょうか。

例えば、太陽光の位置だけスモークが入り、それがフロントウィンドウ上で進行方向や太陽の位置に合せて動くようになったら、どんなに運転しやすいだろう、と想像します。ガラスの濃度(透過率)を変化させる技術は既に存在します。
ダイムラークライスラーの最高級車マイバッハに搭載されているパノラミックルーフでは、ガラスの中間層に伝導性ポリマープラスチックの液晶薄膜を採用することで、導電時にはクリアの視界を確保しつつ、電源OFF時には光を低減させることが可能です。
遮光時の視界が広がれば、視界確保だけでなく、精神的にも安全性が向上すると思えます。
自動車メーカーの皆さんだけでなく、ガラスメーカーの皆さんにも、是非とも検討をお願いしたいです。

読者の皆さんでも、自動車の様々な技術について、一言言いたいというご意見あれば、是非ともアイデアを以下メールまでご連絡下さい。
宜しくお願いします。
宛先: info@sc-abeam.com

<本條 聡>