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コラム

トヨタF1プロジェクトを担う国内関連施設を報道公開。日本…

◆トヨタ、F1プロジェクトを担う国内関連施設を報道公開。日本の匠の技…
今回は本社工場の機械加工施設と明知工場の鋳造施設が報道披露された。独子会社のTMGから送られてくる複雑な3D図面から鋳型をつくるのは至難の業であり、技能五輪で世界大会に進出した『名工』社員ら約70人の職人芸により、高品質なエンジン部品づくりに取り組んでいる。
「F1はTMGがすべてやっているように見られがちだが、生産分野で日本の職人芸が入っていることを知ってもらいたい」とトヨタ広報。
<2004年02月10日号掲載記事>
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トヨタのF1プロジェクトについて、これまでドイツのレース子会社であるトヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)が取り上げられることが多く、量産が前提となる日本での技術開発との関係が見えにくい部分があった。
複雑な形状を持ち高強度を要するF1のエンジン部品を手作業で入念に仕上げていく「職人芸」的物作り技術は、生産性に重点をおき、シンプルな形状、最適な品質レベル、工程の簡易化を指向する量産技術とは「別物」であり、広告宣伝的な戦略のためのものと捉えられがちである。
果して、本当に乖離したものだろうか。
20世紀後半の日本の自動車産業の成長を振り返ってみる。
米国自動車産業が大量生産による効率化を指向したのに対し、多品種少量 生産において同等以上の効率化を指向せざるを得なかった日本の自動車産業において、世界的にもトップレベルの量産システムを構築した背景には、高いフレキシビリティの実現が貢献していることは知られている。

量産の効率化を単純な自動化の追及だけでは実現できない複雑な条件下において、最適レベルでの設計・生産を効率的に実現し、世界に誇る量 産システムとして体系化してきた背景には、大量生産以上の効率化を実現する「物作り」があったと考えられる。

ここに、「物作り」を極めた「名工」が大きく貢献をしていると考える。
「物作り」を高度なレベルで追求するからこそ、多能工的作業を要求される複雑な条件下においても、最適レベルを見極め、実現してきたのであり、また、こうした環境が「名工」を育んできたとも言える。

つまり、日本の自動車産業の成長を支えてきたものの一つは、こうした「職人芸」的物作り技術にあると言っても過言ではないと思う。
昨今破竹の勢いで成長する近隣諸国もあり、日本の製造業の危機を問う声も多い。勿論、産業・商品によっては、こうした海外の波に飲まれてしまうものもあるとは思う。

しかし、自動車産業においては、世界に誇る「物作り」があり、簡単に取って変わられるものではないことも事実である。
このあたりに、未来の日本自動車産業の方向性があると期待したい。

<本條 聡>

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