ドライバーの「まばたき」で注意力や居眠りを監視し、警告…

◆ドライバーの「まばたき」で注意力や居眠りを監視し、警告を出す新技術

車間距離を計測するなどの危険感知センサーで危険を感知した際、バックミラーに内蔵された「まばたき」監視センサーから得たドライバーの注意力が低ければ画面表示や音を使った警告を大きく、注意力が高ければ、警告を小さく行うシステムを産業技術総合研究所や名城大などが共同開発し、公開した。「運転手の状態に適した警告を出せ、おせっかいすぎず使いやすい」
<2004年02月26日号掲載記事>
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今回公開された技術は、まばたきで運転手の注意力や居眠りを監視して警告を出す技術であるが、車間距離、路面状況等の危険を感知するセンサーと組み合せたのが特徴である。バックミラーに内蔵されたカメラがまぶたの動きを解析し、意識低下を示す長いまばたきを検出する。

高度道路交通システム(ITS)の大きなテーマの一つに、自動車を高知能化し、安全性を格段に高める先進安全自動車(ASV:Advanced Safety Vehicle)があげられており、関係省庁、各自動車メーカーを中心に研究開発が進められている。

その中で、予防安全技術は重要な要素技術項目の一つであり、今回の運転注意力モニターと言われる技術は、まさにこの予防安全技術に貢献するものである。

昨年の東京モーターショーにおいても、三菱自動車とナイルス部品がそれぞれ運転注意力モニターを出展していた。
三菱自動車のものは、ダッシュボードに組み込み、速度、操舵量、クラッチの単調度、蛇行程度などの運転操作状況をモニタリングし、そのデータからファジィ推論によって運転者の注意力低下を判断するというシステムであった。
ナイルス部品のものは、日産自動車との共同開発で、CCDカメラで瞬きの回数や時間をモニターして注意力低下を判断するというシステムで、自動的に目の位置を検出する機能が特徴であった。

予防安全技術は、交通事故の軽減に大きく貢献すると期待されており、近い将来での普及を達成するためにも、まずは量産車両での採用を早期に実現し、できれば普及を前提にした価格戦略を自動車メーカー各社に期待したい。

<本條 聡>