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コラム

富士重工、特別な注文に応える「スバルカスタマイズ工房」…

◆富士重工、特別な注文に応える「スバルカスタマイズ工房」事業の第1弾撤退したバス車体製造の既存施設や従業員を引き継ぎ、乗用車の改造事業「スバルカスタマイズ工房」を開始した。第1弾として3車種を設定。
レガシィをベースにカタログ設定にないオリジナル色が選択できる革シートなどを取りつけた「インテリアパッケージ for レガシィ」。インプレッサ セダンをベースに全幅を60mm拡大し、スポーティな外観に改造した「インプレッサ ワイドボディパッケージ C1」。サンバーバンの中古車をベースに、丸形のヘッドライトやスポイラーを装着し、2トーンのカラーリングと合わせた「サブロクサンバー」。
<2004年03月03日号掲載記事>
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人によって、自動車に感じている魅力は様々であると思う。自由に移動できる手段としての魅力、個性、ステータスやライフスタイルを表現する商品としての魅力、人間の肉体を超えた卓越した能力、性能を持つ機械装置としての魅力、等々。

消費社会の成熟と自動車産業の技術向上に伴い、消費者のニーズ、自動車の魅力は益々高度化、多様化の一途である。特に日欧米等自動車の普及率が高い先進国では、他の人と同じ自動車を保有することでは満たされないニーズがある。

一方で、経営としての収益性・効率性の追求の必然として、自動車業界各社は、ブランドやメーカーを超えた部品・エンジン・プラットフォームや設備・工程の標準化・汎用化を世界的に進めている。継続的に顧客価値の高い製品を供給していく使命を帯びたGoing Concernとしては、その使命を果たしていく上で収益性・効率性の追求は当然である。この矛盾する二つの要求を同時に満たすものとして重要な位置を占めてきたのがデザインとパッケージングである。

デザイン面での差別化は、各ブランド、各車種の魅力を消費者に直接的に訴えるツールとして不可欠だというのは当然だが、裏方部分に回ればどの車種にも同じ部品やプラットフォームが使われているのでは今日の成熟した消費者の納得を得られるものではない。そこで、いくつかの標準化モジュールの中で、ブランドのポジショニングや製品企画のテーマに応じて最適なパッケージを選択し、それを熟練域に達した生産技術で統合していくというのが現状では最適解と考えられている。

日本の自動車産業は、経営効率を追求する欧米自動車メーカーの少品種大量生産方式に対して、主に消費者ニーズへの細やかな対応を追求した多品種少量生産方式の構築により現在の市場競争力を勝ち得たといっても過言ではないだろう。しかし、その結果、デザインやパッケージングよりも生産技術や専用部品・専用設備に重点が置かれがちだったという面は否めないと思われる。

今回、富士重工が始めるこの「スバルカスタマイズ工房」には、撤退したバス車体製造の既存施設や従業員等組織スラックの有効活用という多角化の王道的なアプローチであるとともに、デザインとパッケージングという今日的なテーマへの取組みという意味合いもあるのではないだろうか。
20世紀後半をリードしてきた日本の自動車産業が、自ら進化を遂げ、21世紀型のテーマでも引き続き世界的優位を確保し続けられるかどうかの試金石と言えるかもしれない。富士重工がその熟練した生産技術を強みとして、日本型の新しい形のカロッツェリアとなり、日本の自動車産業の次の発展の方向性を証明してくれることを期待したい。

<本條 聡>

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