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コラム

車掲載器5社、通信費無料のETC用無線を活用した「高速通信…

◆車載機器5社、通信費無料のETC用無線を活用した「高速通 信カーナビ」開発
松下・ケンウッド・パイオニア・クラリオン・アルパイン。来年度にも市販
<2004年03月11日号掲載記事>
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ついに、カーナビもここまで進化した。
オフラインカーナビゲーションシステム、いわゆる「通信型カーナビ」だが、道路情報等情報の最新性を保てるのに加え、その通信機能を利用して付加機能を拡張できる特性により、業界での注目度は高く、数年前から次世代カーナビとして高い期待があった。

既存のCD型、DVD型カーナビでは、搭載しているディスクのデータ容量 の範囲内で機能する、言わば「電子辞書」的な構造である。一度購入すれば、ランニングコストは不要だが、1枚数万円のディスクを買い換えなければ、地図データの更新はできない。年々多機能化が進むカーナビという商品性を考えると、データ・機能の更新が難しいことは否めない。

近年出てきたHD型カーナビでは、書き換え可能なハードディスクにデータを保持することで、データ容量の拡大と同時に、データ・機能の更新を可能にした。メモリーカード等を利用すれば、自宅のPCや外出先の端末から付加情報や更新情報をダウンロードすることも可能になった。言わば「通信機能なしのPDA」である。

しかし、いつでも情報が欲しい時に車内で最新の情報が得られるというわけではない。しかも多機能化が進む中、次の付加機能として、インターネットへのアクセスやメールの送受信は必然的な流れである。こうした中で、自動車・車載機器メーカー各社が開発を進めているのが、通信型カーナビである。「通信機能を持ったPDA、ノートパソコン」的なものである。

現在パイオニア・クラリオンから発売されているが、爆発的な普及に至っていないことにはいくつか原因が考えられるが、主に以下2つが上げられる。

1つ目は高額のランニングコストである。パイオニアの「AirNAVI」は、携帯電話網で通信する端末を内蔵するが、ランニングコストとして、月額2,000円程度の基本料金と各数百円の選択式コンテンツの情報料がかかる。クラリオンの「AutoPC CADIAS」はカーナビというよりも多機能型の車載PCであるが、車載機自体に通信端末を内蔵するわけではなく、携帯電話やPHSカードを利用して通信する機能を持たせており、消費者が何らかの通 信媒体を利用してカーナビゲーションネットワークサービスにアクセスし、情報を取得するというものである。このネットワークサービスに月額1,500円程度のコストがかかる。いずれにしても、毎月数千円単位でランニングコストがかかる限りは、週末しか運転しないような一般消費者への普及は難しいように思える。

2つ目は、キラーコンテンツとなりえる消費者に魅力的な機能の不足である。カーナビを車に搭載している消費者のほとんどが携帯電話も保有しているであろう。携帯電話から今や様々な情報が入手できる中で、携帯電話ではなく、カーナビに期待したい機能は何であろうか。

毎年様々な機能を付加された新モデルが発売されているが、これはお金を払ってでもすぐに欲しいと思われるような機能・内容を期待したい。

今回の発表内容は、ETCの通信網を利用することで、通信費用自体を無料にすることができるため、ランニングコストの低減に大きく貢献する可能性がある。また、ETC機能自体も備えるということで、ETCの普及への貢献と同時に、有料コンテンツの決済の簡易化、ハードウェア自体の購入コストの削減も期待できる。仮に業界大手5社によるネットワークの標準化により安価なインフラを構築することができれば、あとは優良なコンテンツを用意することで、通 信型カーナビの市場が一気に膨らむ可能性はある。インフラとアプリケーション・コンテンツ。
この2つの相互の連携が、ソフトウェア会社のみならずハードウェア会社にとっても成功への鍵(KFS)であろう。

<本條 聡>

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