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コラム

トヨタ、0~30km/hの低速域での自動追従システム、今夏の…

◆トヨタ、0~30km/hの低速域での自動追従システム、今夏の新型車に搭載へ低速域での追従機能を有し、渋滞時のドライバーの運転負荷を軽減する「レーダークルーズコントロール(低速追従モード付)」を開発し、本年夏に発売予定の新型車に搭載すると発表した。

30km/h以下の速度領域で先行車に追従し、先行車が停止した時は、告知音と表示でドライバーのブレーキ操作を促すとともに、万が一、ブレーキ操作が遅れた場合は停止まで制御する。2001年から国交省の大臣認定を受けた試験車両を用い、公道走行試験を実施してきた。平日昼間の首都高速道路を流れに乗って走行した場合、その所要時間の約9割が追従走行制御の対象という。オプション価格は7万円程度に。

◆国交省、「第3期ASV(先進安全自動車)中間報告会」を東京ドームシティで開催
トヨタは、当日に発表した「レーダークルーズコントロール」を展示紹介。
<2004年03月16日号掲載記事>
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このレーダークルーズコントロール自体は、既にトヨタ他各社で採用されているものだが、今回発表となった技術は、低速域での追従機能を追加した新システムである。

現在の日本、特に都市部の交通事情を考慮すると、渋滞時の走行にも対応という意義は大きく、消費者へのアピールも高いと考える。日産も昨年12月に同様のシステムを発表しており、今秋にも実用化するという。

技術面では、同社の発表の中にも、「レーザーセンサーの広角化をはじめとする認識性能の向上と、微低速域での滑らかな制動力制御を行う高機能ブレーキシステムの採用」により実現が可能となったとあり、それぞれ、トヨタと部品メーカーが一体となって共同開発を進めたものと思われる。

制度面について触れると、これまで禁止されていた自動ブレーキによる完全停止を国交省が限定的に認めたことで実用化が可能になったとも言える。(国交省は、16日に技術指針を改訂し、完全停止後3秒以内に自動ブレーキが解除される場合の自動完全停止を認めた。)

将来的には運転の自動化を目指す自動車業界において、技術的な側面 での自動車メーカー・部品メーカー各社の果たす技術領域での役割は言うまでもないが、今回は新技術の開発に関する社会的環境について考えてみたい。生活の一部とも言えるぐらい人間社会と密接に関わりを持っていながら、一つ間違えれば人間の命を左右させる側面を持つ自動車という「モノ」を考える上で、安全性・信頼性は最も重要なテーマである。

そのため、技術革新においても、特に安全性、信頼性に関わる部分においては慎重を図らなければならず、他の産業よりも社会的制約等が厳しくならざるを得ない。

メーカー側でも、安全性・信頼性を徹底的に追及する以上、新技術の先行開発に莫大な費用がかかる一方で、民間企業たるメーカー側は無尽蔵に資金を開発に投入することができるわけではなく、短期的な回収が困難な新技術の先行開発にかけられるリソースは限られる。
しかも、いくらメーカーが革新的な技術を開発したとしても、管轄官庁の認可が下りなければ市場に投入することができない。

従って、官庁としても、制度の立案・施行・管理という側面に加え、現在取り組んでいるような官民一体となった協議組織の設置や実証実験等をはじめとする支援という側面でも、果たすべき役割が大きい。

また、新技術開発という分野では、自動車産業に限らず、中堅・中小メーカーやベンチャー企業の貢献も重要である。自動車という何万点と言われる部品が複雑且つ有機的に融合して成り立つ商品においては、この企業群の下支えがあってこそ、日本の自動車産業が成り立っているとも言え、ここから革新的な技術・事業が創出・育成される環境も重要だろう。

現在、日本の自動車産業は製品面でも生産面でも、技術的に世界に優位 を保っていることは間違いないと考える。

しかし、欧米だけでなく、近隣諸国でも自動車産業の成長は著しく、自動車メーカーをはじめとする大手企業だけでなく、中堅・中小メーカーから行政まで、自動車産業に携わる企業・団体が有機的に協力し、日本の自動車産業の競争力をより向上させる環境作りに取り組むべきと考えており、当社の事業もその一端を担えればと考えている。

<本條 聡>

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