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コラム

AYAの徒然草(49)  『あなたはどっち派ですか?』

仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。

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第49回 『あなたはどっち派ですか?』

世の成功者とは、失敗の数よりも成功の数の方が多いから「成功者」なのであって、功を成すまでの間に失敗が全く無かったわけではない。失敗だってたくさんあったはず。だから、失敗を恐れてはいけない。という話をしてくださったのは、渡辺千賀さんというとてもステキな女性でした。

そんな心がけで生きてきた彼女が、今日からすぐに実行してみてくださいと言っていたことの一つが「謝らないこと」。何かに失敗して誰かに迷惑をかけたり傷つけたりしても謝る必要はなく、それよりも、その後のリカバリーショットをどうするかということを考える方がよっぽど大事だと言うんです。そうすれば、その失敗も必ず良い方向に転向するもので、謝ること自体なんてそれに比べたら楽ちんで無意味なことだと言うんです。

渡辺千賀さんは、東大卒業後、三菱商事に入社。スタンフォード大学にて MBAを取得し、戦略コンサルティング会社のマッキンゼーに転職。その後 IT 系のベンチャーインキュベーターのネオテニーを経て独立し、アメリカのシリコンバレーでコンサルティング会社を起業。社長として技術関連事業での日米企業間のアライアンスの支援と先端技術に関する戦略立案を行なっているという、実に華々しいキャリアの持ち主なんです。先日、働く女性向けのキャリアアップセミナーで彼女の講演を聴きました。現在のシリコンバレーでのスローライフのお話、独立して働くということの素晴らしさや渡辺さんの思想そのものに感銘を受け、私はすっかり彼女のファンになって帰ってきました。「天は二物を与えず」とよく言いますが、二物も三物も持っている人もいるじゃない!と神様に反論したくなるほど、地位も名誉も、そして美貌も兼ね備えている完璧な女性なんです。そんな完璧な女性が、「私はドジでよく失敗もするのよ。金額が二桁も違う見積書を出しちゃったこともあるんだから。」と人間らしい一面もあると分かると、なんだか「成功者」というものが一気に近い存在にもなるものです。

そんな彼女が「謝らない主義」を説くのは、とても説得力があります。でも、彼女のような人だから、謝らないことが許されるのかもしれないとも思います。だって、私のような凡人が「謝らない主義」を説いたら、謝らないことの単なる言い訳のように聞こえるのがオチですよね。「すみません!」とすぐに謝る人の方が腰が低く見えますし、それにその方が反省しているように見えることも事実です。だから、謝りの言葉を簡単に口にしない人は、「傲慢な人」「生意気な人」「意地っ張りな人」と見られがちですよね。

実際、みなさんの周りはどうでしょうか?すぐに「すみません!」「ごめんなさい!」と口にするけどその後のリカバリーが何もできていない、というような人って結構いませんか?

以前、お付き合いしていた男性と週末にデートの約束をした時、約束の時間になっても現れないので携帯に電話をしてみると、「ごめんごめん、今、渋滞にはまっているけど、あと 30分くらいで着くと思う・・・。」と言われてがっかりしたことを私は思い出しました。いつから渋滞に巻き込まれていたのか分かりませんが、できれば渋滞が始まった時点で、遅くとも約束の時間には自分から連絡をしてくれてもよさそうなものです。しかも、渋滞なんてどうなるか読めないのに、「あと 30分くらいで着くと思う」というような根拠のない見通しを口にしていることにもがっかりしました。何にがっかりしたのかといえば、「ごめん」と謝罪の言葉を口にしながら、実は全く誠意が感じられなかったことに対してです。結局、「私、そんなに待てないからもう帰るね。」と言って会わずに帰ったんです。

その後も彼は、何度も平謝りの電話やメールをくれましたが、私は、こういう人は、絶対にまた同じことを繰り返すものだと思っていました。予想通り、彼はその後のデートでも何度となく約束の時間に遅れて堂々と登場していました。彼はきっと「とりあえず謝っておけばいい」と思っていたのでしょうが、行動を伴わない謝罪の繰り返しによって、却って彼の誠意のなさがどんどん鮮明になり、私の失望感はどんどん高まっていきました。

渡辺千賀さんのおっしゃる通り、「すみません」とか「ごめんなさい」といった謝罪の言葉を口にすることって楽なことなんですよね。それよりも、口先だけではない誠意をどうやって伝えるか、同じ過ちを繰り返さないために意識や行動をどのように変えていくか、といったことの方がよっぽど大変なことなのです。

日本人はすぐに謝る国民性だと言われます。確かに日本人は「すみません」とよく言います。「すみません」と自分で言うばかりか、それを他人に強要する傾向もありますよね。最近、テレビのワイドショーをにぎわしているボクシング界の親子や力士が急死した相撲部屋に謝罪会見を求めたりしているのが、そのいい例です。

あれを見ていると少し悲しくなります。自分の誠意から出たものではなく、強要された謝罪なんて無意味なだけでなく、謝罪というペナルティを払ったことで本人は釈放された気持ちになってしまってきっと意識や行動の変革なんか起きないんだろうなぁと思ってしまうからです。

そういう話をしたら、私の上司は少し違うことを言っていました。「こちらの過ちに怒っている相手だっていつまでも感情的なやり取りを続けているほど暇ではない。過ちの結果、誰かに被害が出ているかもしれないから、早くその有無や程度を確定して補償を検討しなければいけない。それから、過ちには必ずその背景に真因となる構造やプロセスの問題が隠れているはずで、そういう真因を見つけてそこを改めないとまた同じ問題が起きる可能性がある。そういう次のステップや前向きな活動に移ることを相手も期待しているものだよ。そのために一旦振り上げた拳をまず下ろさなければいけない。そのきっかけになるのが謝罪なんだよ。だから、過ちが起きたらできるだけ早く謝りにいくべきだ。」と。そう言われると確かに謝ることも大事な気がしてきました。

さて、みなさんはどうでしょうか?「謝る派」ですか?それとも「謝らない派」ですか?私は、「そもそも謝らなくちゃいけないようなことをしない派」です!実際はなかなかそうは行かないものですけど。

<佐藤 彩子>

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