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コラム

新・業界ニュース温故知新 『自動車関連税制のあるべき姿は?』

  過去の自動車業界のニュースを振り返り、新たな気づきの機会として紹介し
ていたこのコーナーですが、新たな形態にリニューアルします。

 過去の記事で取り上げた内容を振り返り、現在の自動車業界と照らし合わせ、
新たな視点で見直していきます。

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『自動車関連税制のあるべき姿は?』

◆エコカー減税3年延長 税制改正法案を閣議決定
 12年度税制改正、3000億円増税に

 政府は27日、自動車重量税の約1500億円軽減や、今春で期限切れとなるエコ
 カー減税の3年延長などを柱とする2012年度税制改正法案を閣議決定した。
 地球温暖化対策税(環境税)の導入や、年収1500万円超の高所得者の給与所得
 控除縮小による…
  
【参照記事】

『「エコカー減税」の効果と影響』

◆直嶋正行経産相、エコカー減税とエコポイント制度の廃止を示唆

再任後に初登庁した際の記者会見で、エコカー減税とエコポイント制度の廃止
について、「減税にはエコ商品普及と景気対策の 2 つの意味がある。景気の状
況を見ながら (廃止を) もう少し先に判断する」、「次世代自動車やエコ家電
普及をどうするか、国として考えなければならない」と述べ、景況が急激に悪
化しなければ廃止する考えを示唆した。

                   <2010年06月10日号掲載記事>

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【参照記事の概要】

 2009年 4月から導入されたエコカー減税だが、実質的な効果が見えてきたの
は、エコカー購入補助金の運用が始まった同 6月以降であった。この二つの制
度の運用で、プリウス等は最大約 40 万円も優遇を得られることとなった。結
果として、2009年の国内新車販売台数(登録車)は 292 万台となり、50 万台
程度の押し上げ効果があったと推定される。

 自工会の発表によれば、2009年の新車販売台数の約 65 %をエコカー減税対
象車が占めており、対象車種の増加と消費者の認知拡大の両面から、エコカー
の普及につながっていると考えられる。ただ、このエコカー減税対象車の基準
については賛否両論あり、今後改善してもらいたいところでもある。

 2010年 9月にはエコカー購入補助金制度が終了する予定である。既に同様の
スクラップインセンティブ制度が終了したドイツにて販売台数が急減するなど、
一連の制度導入前の厳しい状況に逆戻りしてしまっている市場も少なくない。
暫定的な問題先送り施策だけでなく、根本にある問題も含めて、覚悟を持って
臨むことが必要になろう。

http://www.sc-abeam.com/sc/?p=203
  
【その後のエコカー減税・補助金】

 2010年の国内新車販売台数(登録車)は、1~ 8月までは平均 3 割近く前年
比よりも増加する形で推移し、特にエコカー補助金終了直前の 8月には前年比
46 %アップを記録した。しかし、以降は減少に転じ、特に 10~ 12月は前年比
から平均 3 割減少するレベルに落ち込んだ。結果、通年では 323 万台(前年
比 110 %)に落ち着いた。

 2011年に入っても、引き続き低水準で推移してきたが、3月の東日本大震災を
受け、状況は更に厳しくなったことは記憶に新しい。2011年 9月頃には各メー
カーの供給体制も持ち直し、前年比を上回るレベルに回復したが、通年では、
登録車で 269 万台、軽自動車も含めて 421 万台と前年を大きく下回る結果と
なった。

 こうした中、政府では、今春に終了予定であったエコカー減税の 3年間の延
長と、2010年に終了したエコカー補助金の復活について閣議決定したと報道さ
れている。特に、エコカー補助金については、交付自体は補正予算成立後にな
りそうではあるが、昨年 12月 20日以降の購入分が申請対象になりそうである
こと、前回と異なりスクラップインセンティブではないので、廃車処分がなく
ても対象となることなどが公表されている。また、エコカー減税の対象車につ
いても、より基準を厳しくしたものになる見込みである。

 詳細は制度が正式に成立するまで待ちたいが、少しでも自動車市場の活性化
につながればと思う次第である。
  
【自動車関連税制のあるべき姿は?】

 自動車業界に限ったことではないが、近年の政府の不安定な政策方針に頭を
抱えられている現場の方も多いのではないだろうか。そもそも、自動車業界と
しては、2009年に道路特定財源制度が廃止されたにも関わらず、依然として適
用されたままになっている自動車取得税・重量税・ガソリン税等の暫定税率の
改善が最大の課題であろう。今回のエコカー補助金復活とエコカー減税延長も、
こうした自動車業界からの暫定税率撤廃要求をそらすために決まったというよ
うな背景も噂されているぐらいである。

 一時的な補助金制度は、需要の先食いになるだけで、中長期的な改善にはつ
ながらないという意見も多い。また、安易な補助金制度の導入は、結果的に国
民への負担になって戻ってくるという意見もある。

 消費税増税も議論されているが、単価の高い自動車販売が大きな影響を受け
ることは間違いない。政府財源が厳しいことは誰もが認識しているところであ
ろう。だからこそ、短期的なバラマキ施策を検討するだけでなく、中長期的な
視点を持って、業界の持続的な発展と財源確保のバランスを考慮した上で、自
動車関連税制のあるべき姿を考えてもらいたいところである。

<本條 聡>

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