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コラム

think drive (28)  『 東京モーターショー 』

新進気鋭のモータージャーナリストで第一線の研究者として自動車業界に携わる長沼要氏が、クルマ社会の技術革新について感じること、考えることを熱い思いで書くコーナーです。

【筆者紹介】

環境負荷低減と走りの両立するクルマを理想とする根っからのクルマ好き。国内カーメーカーで排ガス低減技術の研究開発に従事した後、低公害自動車開発を行う会社の立ち上げに参画した後、独立。現在は水素自動車開発プロジェクトやバイオマス発電プロジェクトに技術コンサルタントとして関与する、モータージャーナリスト兼研究者。

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第 28 回 『東京モーターショー』

例年、1月初旬から開催されるデトロイトショーを皮切りに展開される世界のモーターショーだが、今年は例年と少し異なる趣になっている。今月はその、モーターショーについて考えてみる。

冒頭にも書いたように、今年もデトロイトショーを皮切りに、世界のモーターショーが動き出した。しかし、その展示メーカーに日産、三菱、スズキ等の辞退メーカーがあるなど、例年とは異なるアナウンスから始まった。しかしながら、実際はデトロイト 3(ビッグ 3) の元気の良さや、欧州メーカーの北米メーカーへの応援など、話題に事欠かないショーとなった。

3月にはジュネーブショーが開催され、例年とおりの盛り上がりを見せた。ジウジアーロや日産から、ハイブリッドスポーツコンセプトが発表されるなど、電気駆動への移行を感じさせる展示内容が目立ったが、各社勢力的な発表を行っていた。そして、翌月の今月 4月初旬からはニューヨークショーも開催され、特に変わりない例年のパターンが続くように見られた。

しかし、昨年末から騒がれている北米カーメーカーへの支援についてはまだ最終結論を得ないが、各カーメーカーの在庫調整が一段落して少し自動車業界も一段落している感のある最近、ショッキングなニュースが飛び込んできた。それは、今年秋に開催される東京モーターショーへの参加メーカーリストである。

GM(キャデラック / シボレー / ハマー)/ クライスラーグループ (クライスラー/ ジープ / ダッジ)/ フォードモーター / フォルクスワーゲン / アウディ / BMW / メルセデスベンツ / スマート / プジョー / シトロエン / ルノー /フィアット / アルファロメオ / ランボルギーニ / MINI / ジャガー / ランドローバー / ボルボ / サーブ / 光岡自動車

以上のリストは、参加メーカーリストではなく”不参加”メーカーリストである。例年何の疑問もなくモーターショーに存在していたカーメーカーが軒並み不参加だ。驚き以外の何ものでもない。以前から不参加を表明していた国内商用車 4 メーカーも含めると実に 29 ブランドもが例年より少ないことになる。

ちなみに参加メーカーは、スズキ / ダイハツ工業 / トヨタ自動車 /日産自動車 / 富士重工業 (スバル)/ ホンダ / マツダ / 三菱自動車工業 / アルピナ / ポルシェ / フェラーリ / マセラティ / ロータス / ヒュンダイとこちらのほうが数でいえば少なくなる。世界のカーブランドの半分以下の参加しかないことになる。

東京モーターショーは、9月に開催されるドイツでのフランクフルトショーの直後開催ということもあり、欧州メーカーにとっては経費削減のために仕方ないのかもしれないが、再検討をお願いしたくなる。ちなみに、ホンダ、三菱は、フランクフルトショーへは参加しない意向を既に発表している。

このように、今まで 5 大モーターショーと呼ばれてきた、デトロイト / ジュネーブ / フランクフルト / パリ / 東京、の各ショーの勢力図が大きく変わる年になるだろう。アジアにおける自動車市場の中心が中国に移動している現実を考えると、北京、上海モーターショーと成長市場でのショーはカーメーカーにとってとても魅力的に映るのは間違いないだろう。

現時点では開催期間も 4日短縮して行われることが決まっている今年の東京モーターショーだが、何か、東京ならでは ! という内容の濃いものにして次回からは再び参加メーカーが増えるショーにしたいと願うばかりだ。

<長沼 要>

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