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コラム

AYAの徒然草(8)   『言葉のマジックを磨く季節』

仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。

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第8回 『言葉のマジックを磨く季節』

みなさんが今日、身に付けているネクタイ。女性から、「今日のネクタイ、爽やかな色がとっても素敵ですね」と褒められるのと、
「○○さん、今日の爽やかな色のネクタイがとってもお似合いですね」と褒められるのでは、どちらがより嬉しいですか?

おそらく、後者の方がより嬉しいのではないかと予想します。
前者は、「ネクタイ」そのものを褒めていますが、後者は、爽やかなネクタイを身に付けている「あなた自身」が褒められているからです。後者は、ネクタイの色が爽やかなのは、「あなたが爽やかだから」と暗に言っているのです。

こんな風に、同じ「褒める」にしても、主体を変えて褒めると、相手をより一層喜ばせることができます。不思議ですよね。どっちもネクタイを褒めているのに、ちょっと視点を変えて表現しただけで、言われた側の満足感は全然違うんですから。これが、「言葉のマジック」です。

そんな「言葉のマジック」、褒めることに限らずこんなシーンにも応用できます。

会議中に、誰かの意見に「賛成」の意を表したい時。「私はその意見に賛成です」と言うよりも、「私は○○さんの意見に賛成です」と言うのです。相手は、「意見」を肯定されたというよりも、「自分自身」を肯定された気分になって、より大きな満足感を得られます。自分が提案した意見に賛成されて、イヤな気分になる人なんていませんよね。逆に言うと、賛成する行為については、特別に気を遣う必要性はないのですが、でも、どうせだったら一歩踏み込んで、より親近感をアピールできる絶好のチャンスを逃す手はないと思うのです。ただ賛成するだけなら誰でもできますから。

また、「言葉のマジック」は、オフィスに限らずこんなシチュエーションにも使えます。

レストランでのデート中、「ここの料理、とっても美味しいね」という言葉は、食事中の二人の何気ない会話の中、自然に口にする言葉だと思います。でも、料理が美味しいのは、そのレストランのシェフの腕前がいいから、それだけでしょうか。違いますよね。目の前にいる相手が好きな人だから美味しいのです。好きな人を目の前にして食事をするのと、嫌いな人を前に食事をするのとでは、同じものを食べても同じように感じると思いますか?

よく、料理は「目」でも食べると言います。もちろん体の中へは口から入れるのですが、味覚は「視覚」からも影響を受けるという意味です。一流シェフが、食材や味の他に、盛り付けやテーブルセッティングにもこだわるのはそのせいです。「視覚」は味覚を一層盛り立てるのです。

だからこの場合、「きみと一緒だから、料理が一層美味しく感じられるよ」とか「きみと一緒だと、何を食べても美味しく感じられるよ」と、褒める主体を「料理」から「食事をする相手」に変換して褒める方が相手は喜びます。会話もはずみ、更に食事が楽しくなります。それに、彼女(彼)のハートを射止めること、間違いなしです!

このように、「言葉のマジック」は、相手を気持ちよくさせるばかりか、会話をはずませる効果ももたらします。「言葉のマジック」でネクタイを褒めた場合、「きみも鮮やかな色のブラウスがとっても似合うね」というように、相手も自分を褒めてきます。「センスの良い○○さんに褒めていただき、光栄です」とお返しすれば、更に相手を喜ばすことができるでしょう。

しかし、ネクタイを褒めるのも、料理を美味しく感じるのも、本当にそう感じていないことは口にできませんよね。思ってもいないことを口にして褒めることは、上っ面だけの言葉で説得力がなく、それを相手に見透かされてしまえば却って逆効果です。ただのお調子者になってしまうだけですよね。

そもそも、何かを「褒める」前に、美しいものは美しい、美味しいものは美味しいと感じられる豊かな感受性が無いと、私がオススメする「言葉のマジック」は活かされません。
芸術の秋、食欲の秋です。「褒め上手」になる前に、美術館へ出掛けて美的センスを養ったり、各地へ味覚狩りに行って美味しいものをたくさん食べたりして、まずは秋を満喫しながらいろんな感性を刺激してみてはいかがでしょうか。その後、私が説く「言葉のマジック」にトライして、「褒め上手」になってみてください。

<佐藤 彩子>

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