本文へジャンプ

コラム

中古車は古着のセレクトショップとなり得るか?

◆JJモデルらが用品をセレクト

<2006年3月16日付日刊自動車新聞掲載記事>

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

3月 16日の『日刊自動車新聞』に、トヨタの 『bB』 をベース車両として複数の用品メーカーと共同でセレクト用品を売り込む試みについて取り上げられている。

ネッツトヨタヤサカ(京都市中京)が、若い女性に人気のあるジュエリーブランドである「DUB ジュエリー」とのコラボレーションで、女性誌『JJ』などを飾るモデルたちに用品をセレクトさせて、ファッション分野のセレクトショップ的な色合いを持たせた取り組みだそうだ。

◆セレクトショップとは

セレクトショップとは服飾小売店の形態の一種で、ひとつのブランドやデザイナーの商品だけを置くのではなく、その店のオーナーやバイヤーのセンスで仕入れたものを陳列・販売している店舗のこと。店側のセンスやコンセプトで成り立っているので、新進デザイナーやまだ知られていないブランドの商品が手に入る可能性もある。

一般的には服を扱う店のことを言うが、おもちゃや雑貨などを扱っているところもあるし、バイヤーのセンスで商品を選んでいる店は、何を扱っていてもすべてセレクトショップといえる。(出典:ウィキペディアより)

服飾小売店で有名どころでは、シップス、ユナイテッドアローズ、ビームスなどが存在し、ファッション業界では近年特に注目されている。

セレクトショップは規模の拡大と店舗数の増大が自らのブランド劣化・陳腐化に繋がるといった構造もある一方、有力バイヤーのセンスに基づく服飾のコンビネーションが顧客の嗜好を汲み取ることで、単品としてのみならず、複数商品をセットとして売上を増加させるのに寄与している。

◆ローダウンではなくローライズ

ネッツヤサカの取り組みでは、アイテムとして、アルミホイールメーカーのレイズ製「グリフォニー」と「アルボーレ」の 2 つを足回りとしてセレクトをしているとのことだが、車高を下げる「ローダウン」についても、ジーンズなどに使われる用語である「ローライズ」という用語を採用するなど、ファッションの一環としてのカスタマイズを「セレクトされた女性の目から見てかっこいいクルマ」という趣旨でまとめ上げることで若年男性の購買アップを狙っている。

◆中古車のセレクトショップ化

さて、こうした「女性誌モデルのセンスに基づくセレクトショップ的な」動き自体は今後ネッツヤサカの後はネットトヨタ中部とネッツトヨタ岡山を皮切りに、早期に 10 社以上に増やしていくとのことだが、筆者は同様の動きを中古車で出来ないかと考えている。
現在、中古車小売需要は年間 3 百万台とも言われ(正確な統計は存在しない)、新車販売台数を大きく下回っており、欧米諸国の新中比率と比してもかなり少ないレベルに留まっている。

循環型社会に対応するためには、リサイクル法によるスクラップの処理に対処するだけでなく、商品として古い車に乗る人たちを増やす必要がある。

現在中古車に乗る人間の多くは「新車に乗るより経済的である」という動機で乗っていると考えるが、この動機を「新車に乗るよりカッコいいから」というものにシフトすることが一部でも出来れば、中古車需要は大きくに伸びる可能性を秘めている。

「カッコいい中古車」を創り出す為の現時点で動きとしては、一部のエンスー向け 4×4 ショップや輸入車対象ショップでモディファイを実施しているという程度だが、

(1)新車領域でのモディファイやオプション装着などが進んだり、
(2)簡易なモディファイを安価で可能な仕組みの構築、

が出来れば、元々の新車車両の購入後価格下落率が大きな日本であるが故に、モディファイ中古車販売による対新車比価格優位性も実現可能であろう。

また、ファッションの世界を見ると「古着セレクトショップ」で売っている古着のほうが新品よりかっこいい・値段は高い、という状態にある。「中古車セレクトショップ」という同様の試みがあっても良いのではないか。

<長谷川 博史>

  • コラム
  • 業界アンケート
  • 書籍&レポート
メールマガジン

住商アビーム自動車総合研究所が発信する各種情報をご紹介します。当研究所のスタッフが日々移り変わる自動車業界を、経営と現場を結ぶ視点で紐解いた記事やコラム、等です。

無料配信申し込みはこちら
PDF メルマガ見本はこちら

News -プレスリリース・メディア対応 自動車業界ライブラリ

UPページの先頭へ