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コラム

サービス満足度アップの重要性と、本業集中の為の 簡易IT導入

◆国内自動車ディーラーの顧客満足度、新車購入時はホンダが 1 位。J.D.パワー

「新車購入時の販売店の対応」で、ホンダが 1 位を獲得。2 位はVW。3 位にはトヨタ、M ・ベンツ、昨年調査で 1 位だった BMW の 3 ブランドが並んだ。

「販売店のアフターサービス」では、BMW が 1 位を獲得。2 位は日産、3 位にはトヨタとホンダが入った。国産車のサービス満足度水準は、輸入車に対して依然優位となっており、輸入車の課題の一つとして、サービス料金に関する満足度の低さが挙げられる。顧客が料金を支払った時の「料金の妥当性」に対する満足割合は国産車の 54 %に対し、輸入車では 40 %となった。

輸入車ディーラーの強みだった「販売体制・施設」も、国産車メーカーが販売店の統廃合やリニューアルなどで整備・再構築を進めた事により、輸入車の優位性が失われつつある。今後は店舗スタッフのマナーやスキルなど顧客対応力といったソフト面での競争になると予測している。
<2005年10月25日号掲載記事>

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突然だが、筆者は来週後半から再来週に掛けて、社団法人日本自動車販売協会連合会が会員の皆様向けに開催する自動車ディーラーの経営分析セミナーを国内 3 箇所で実施する。

このセミナーでは、自販連がアンケート方式で毎年纏めている「自動車ディーラー経営状況調査報告書」にある全国 1,300 社強の自動車ディーラーの損益計算書・貸借対照表などの経営数値の平均を基に、いくつかの切り口で分類・整理。その傾向と、注力すべきポイントなどを提言させて戴く形となる予定だが、簡単にその内容をご紹介したい。

【新車販売】

日本における自動車ディーラーの場合、企業規模増大(台数、従業員数など)は、新車売上総利益率に大きな影響を与えない。
即ち、販売台数が 10 倍のディーラーでも 10分の 1 のディーラーと基本的には同じ粗利率である。しかし、所謂車両手数料といわれるインセンティブの金額が売上総利益に占める割合は企業規模が大きくなるに従い増加し、一定レベル規模を超えるとこれが 2 割程度にもなる。
つまり、規模の経済の実現は供給者であるメーカーやインポーターにより一義的には提供される形となっている(当然、全ての価値提供は顧客に対して行われ、その内容に対する妥当な金額の支払という側面から時価=対顧客価格は決まっていくわけだが、現金の支払は供給者から行われる形)。

【中古車販売】

一方、規模拡大に伴う中古車ビジネスの変化としては、売上総利益率そのものは大きな動きを示さないが、一般的には新車に対する中古車の販売台数比率は下落し、中古の卸売単価は下落する傾向にある。これは、大規模ディーラーでは新車ビジネスが経済的な理由から、または政治的(メーカーにとっての一機能)な理由から優先されるということが一因として挙げられるだろう。

【F&I(割賦と自動車保険)手数料】

規模が大きくなれば、その分信販会社や保険会社から得られる手数料率は上昇する傾向にあることから、台当り手数料は上昇する傾向がある。

【新車、中古車、割賦・保険手数料などにおけるアクション】

さて、こうしたことから具体的にディーラー経営者としてはどういったアクションを取ることでそれぞれの領域のビジネスを拡大させることが出来るだろうか。実は、上に述べさせて戴いたのは顧客が車を実際に購入した時点で発生する各種売上の収益性について、定点観測的に述べさせて戴いたものである(厳密には、保険手数料は更新毎に得られる手数料とも捉えることが可能)。

当然、来店時や訪問時の心からの応対や、付帯する各種サービス内容の開発といったことは大切だが、新車需要の 92 %が代替需要であるという事実を考慮すると、新車や中古車が販売される時点で予想される収益は頭の中でカウントしながらも、既納客に対する、お客様の保有に伴う問題解決のお手伝いを継続的にしていくことが、結果的に上で分類した収益を確保する上では第一優先するべきアクションであろう。

【サービススタッフの重要性】

営業スタッフは新車販売時などの接点を、如何にその後も維持していくかが基本だが、サービススタッフはその職性上、お客様の保有時期を通じて接線を有している。

つまり、サービススタッフは構造的にはディーラーの中で一番顧客との繋がりを維持できることから、ここでお客さんに満足戴くことにより、代替需要が発生する前からこれをしっかり確保する確率を上げることが出来る。よって、ディーラーによっては一番営業的センスが高い人間をサービスのフロントに置くといったことも実施している。

また、プレミアム車種を扱うディーラーになると、特にお客様が整備/サービススタッフを指名することも恒常的である。

こうしたことを考慮すると、本日のコラムで取り上げた J.D.パワーによる、サービス満足度の調査対象である、サービススタッフの重要性が理解できる。

【J.D. パワーによる 2005 年日本自動車サービス満足度】

当該調査では、販売店におけるアフターサービス(整備・修理等)に対する乗用車ユーザーの満足度を測定したとのことであるが、同社では調査結果は、国産車のサービス満足度水準が輸入車に対して依然優位であるとしている。特に不具合などによる修理を実施する際の輸入車ディーラーサービススタッフの対応力向上が課題としている。(出典:(株) J.D. パワーアジア・パシフィックのホームページ)

【忙しいサービススタッフ】

しかし、整備自体の実施やその納期管理、メーカーや部販会社への部品発注や工賃管理なども行いながら、限られた時間を利用して顧客対応もしっかり行うということは、特に不具合に伴う整備といった突発的な事態による稼働率の激増減が想定されるサービス事業にとっては、難しいのも事実である。結果、得てしてお客様の方向を向くのではなく、兎に角身の回りの仕事を回すといったことを優先してしまうこともあろう。

出来れば間接経費であり単純に手間である事務的な仕事を出来る限りアウトソースしたいものだ。

【カーズイット株式会社】

丁度、本日取り上げたコラムの 1日後である、10月 26日の自動車ニュース&コラムの記事で以下のようなニュースが取り上げられていた。

◆カーズ・イット、自動車ディーラー向けに低価格の受発注管理システム

イベント商品など雑貨類やダイレクトメールの受発注管理システム「Nデックス」。第1弾としてビーエムダブリューに納入した。ASP方式で提供しており、導入コストは50万円から。
http://car.nikkei.co.jp/news/main/index.cfm?i=2005102609691c0

この会社は当社(住商アビーム自動車総合研究所)にとっては親会社が同じということで一部宣伝になってしまうが、業務効率化に IT の導入が一定の効果があるというのは、経営を考える上で昨今では自明であろう。但し、問題はどのようなシステムを、どれぐらいの時間をかけ、コストをどのように考えるかだ。ディーラー経営の中で、経営資源等の制約からこれらので問題でまだ IT化できていない業務はあると想像するが、アウトソースを活用し IT 化できてない業務を IT 化し、兎に角手間を減らすことにより、本業集中・事務処理量軽減に活用戴するということは、意味のあることだ。

得てして、こうしたシステム導入は初期費用が高くなりがちだが、記事の通り、価格もかなり合理的であろうし、顧客には J.D.パワー社の調べで「販売店のアフターサービス」で 1 位となったBMWの名前もある。

社名に車を意味する「カー」と IT を意味する「イット」を有している同社は、自動車リース会社やインターネット仮想百貨店運営大手企業も株主であることから、自動車ディーラーや関連事業者にとっての現場の困りごとを IT に絡めて解決するノウハウを有している。

対顧客対応能力を一歩ずつでも地道に向上していいくことをお考えのディーラー経営者や関連事業者の方は、先ずは気軽にご相談されてみてはどうだろうか?

カーズイットHP : http://www.carsit.com/

<長谷川 博史>

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