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コラム

自販連・全軽自協・JAIAの自動車関連3団体、新車販売統計…

◆自販連・全軽自協・JAIAの自動車関連3団体、新車販売統計の一本化で合意
来年1月から、月次ごとに発表する販売統計を分かりやすくブランド別にする

<2004年11月04日号掲載記事>
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日本国内での自動車販売に関連する統計は、現在自工会、自販連、全軽自協、JAIA (自動車輸入組合)などがそれぞれ個別にホームページ上などで発表している。

例えば自工会では DB を自由に加工可能な形でエクセルでの DL も可能なフォーマットを採用しているし、自販連他の団体も類似の開示を行っている為、一昔前に較べれば検索・データの取得は簡単になっている。

しかし、自販連が「ランキング」と称して乗用車系の車名別販売台数ランキングトップ 20 を掲載している以外に、車名毎の販売台数の開示は存在しない。
即ち、乗用車以外の国産登録車、軽自動車、輸入車に関する同様の「車名別」の統計は公開されていない。しかも、自販連が開示しているトップ 20 の販売台数合計の乗用車総販売台数に占める割合は 56 %となっており、カバー率は低い(04.10月単月の統計)。

【供給側の論理】
自工会、自販連、全軽自協、JAIA といった業界団体は、それぞれ自動車メーカー、ディーラー、軽自動車販売会社・製造会社、輸入販売業者が集って形成されている。当然、それぞれの団体の設立目的は当然加盟会員が属する業界全体の成長である。しかし、排気量や税法上の扱い、輸入品か国産品か、といった区分けでそれぞれの団体がそれぞれの論理に基づき個別の情報を提供するのは、供給側の論理である。

【顧客サイドからの視点】
顧客が見れば、自動車という商品を 業界団体の 4 つの区分に分類する意味は特に無い。顧客が国産車を選択するのか輸入車にするのか、若しくは軽自動車にするのかを決定づけるのは、自分の好みから見たデザインや大きさ、価格といった価値判断がベースになっており、その結果として一台の自動車を選択する。特に最近は軽自動車でも車格が大きくなっていたり、普通車のエントリーカーの価格が軽自動車に迫っていたりとクロスオーバーしており、全体を統合する一つの DB が存在しないことにより、顧客から見た需要動向の変化を把握するのが年々難しくなっている。

【自動車関連サービスプロバイダーにとって】
また、顧客向けに「車をプラットフォームとして」サービスを提供しようとする企業(自動車そのものに付帯する各種アクセサリーやサービスといった開発を行う企業)から見ても、細かなサービス開発を車種毎に行うといったことをしようにも、メーカーなどの個別の企業から情報を仕入れない限り細かな対応は難しくなってしまう。こうした細分化された領域へのサービス展開を試みる企業はベンチャーなど古くからの実績が無い新興企業であることが多いことから、現実的にはイノベーションを妨げることになっていないかと懸念する。

こうしたことから、今回各業界団体が新車販売統計の一本化で合意したことは自動車業界全体の発展のために望ましい対応であろう。

【行政によるサービス産業推進策】
それでは、更に自動車産業を基幹としたサービス産業を育てる土壌を整備するとすればどうすればよいのか。筆者は行政による更なる販売関連情報の開示に期待したい。例えば陸運支局にて管理している車検証関連の情報を基に、どういった属性の人間がどの地域でどの車を保有していて、そのモデルまで特定することは可能である。

日本ではビールに似た発泡酒が開発された際に酒税改正に踏み切るなど、行政側は税収を確保する為には「増税」という直接的な手段を用いることで、事業者による企業努力に対してでもマイナスのインセンティブを働かせることが多いが(事実、エンドウマメなどを原料とする第三のビールに対しても同様の議論が今も存在する)例えば米国などでは陸運支局における当該データを個人情報に気をつけながら外部の企業に販売することにより増税以外の方法で行政コストの一部を賄っている。

更に、こうしたデータの提供はサービス領域における事業者のイノベーションをもたらす為の土壌の整備を齎す。

即ち、行政から見ても、ランニングで一定の行政コストを回収しながらサービス事業者のイノベーションを促進し、情報サービス産業が育成された時点では結果としての税収の確保へと繋がることが可能になるはずである。

今後益々発展すると予想される「自動車の情報化」に際して、国家レベルでの車両・ユーザーデータの積極的な運用(但し、繰り返しになるが個人情報に関してだけは細心の注意を払う必要がある)は自動車をコアにした新たなサービスの開発には必須であろう。

<長谷川 博史>

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