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コラム

トヨタ労働組合、2年連続でのベア見送り。連結経常利益1.4…

◆トヨタ労働組合、2年連続でのベア見送り。連結経常利益1.4兆円でも
今春闘の賃上げ交渉でベースアップ要求を見送ることを決定。一時金要求も過去最高だった昨年から2万円減らし、5カ月プラス53万円にとどめた。定期昇給に相当する1人平均6500円の「賃金制度維持分」や、長時間労働解消に向けた施策や、組合員の「心の健康」に配慮した措置などを要求する。「競争力がなければ、ものづくりが国内に残らない」とのスタンスを表明。

◆日産労組、今春の労使交渉で7000円の賃上げ要求へ、ベア相当分が1000円
一時金は昨年実績の5.8カ月を上回る6.0か月分とする方針を固めた。
<2004年01月29日号掲載記事>
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自動車メーカートップ2社の労働組合が要請したベースアップを含む賃上げ要求内容は、ある意味対照的である。
トヨタの給与水準に比べて、日産の支給額はまだ見劣りするという要素もあるだろうが、両組合の要求内容の差は両社の経営戦略の差とも言える。
トヨタが従業員向け給与を自社内経営資源のひとつと考え、自社従業員が購入する保険商品などにもアドバイスを行うことで、企業にとっての商品開発に掛かるトータルコストを抑えながら従業員の実質生活水準の確保も狙っているのは知る人ぞ知る話だが、対する日産はどちらかというと従業員への給与支払いそのものを企業にとって対等なステークホルダーへの分配と考え、企業の業績に連動する形での支払いを行っている。
従来の日本型経営の強みは、正に現代のトヨタに継承される「労使一体となった企業活動への参画」であり、この方式で今でも勝負できていることのみを取ってもトヨタの強さが分かる。
自動車製造業のような、ヒット車の有無が業績に多大な影響を与える業種での外部ステークホルダーへの分配のあり方を考えると、やはりトヨタ方式が通用する間は経営としてはこれを変更する必要は感じないだろう。
しかし、トヨタほどの経営体力や長期・トータルでのステークホルダーとの信頼関係の蓄積を持たない多くの企業の経営者にとって、トヨタ方式での労使関係の維持は現実的には難しいと思われ、全ステークホルダーへの適切な分配戦略を定量的且つ柔軟に実施することが求められよう。

<長谷川 博史>

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