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コラム

トヨタ、タイでユーザーとディーラーを結ぶ新ネットワーク…

◆トヨタ、タイでユーザーとディーラーを結ぶ新ネットワークシステムを稼動日本で運営している「GAZOO」や「G-BOOK」をベースに開発した「e-CRB」
<2004年03月23日号掲載記事>
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販売活動がなかなか成果を上げないとき、その原因を営業部門の営業力の弱さ、即ち、営業活動の木目細かさの不足や生産性管理の粗さ、場合によっては営業部門の意識や人的品質の低さによると決め付ける会社は多いのではないだろうか。
そうした原因分析に基づく対策は、必然的に営業部門を細分化して地域密着型の営業組織に再編成する、営業日報の記述や提出頻度を上げたり、接客件数や成約のノルマを作る、ノルマ達成度を壁に張って営業マンやセールスマネージャー同志の競争意識を煽る、といったものになるのが普通であろう。
それ自体は非常に重要なことだが、対応としては本当にそれだけで十分だろうか。モノやサービスが売れない原因は営業部門が怠け者だからということに尽きるのだろうか。
上手く翻訳できない英語の一つに「マーケティング」という言葉があるが、要はモノやサービスを売る、売れるための仕組み・仕掛け作りのことである。そのマーケティングの世界の大家、P.コトラーの「4P」といえば、ご承知のProduct、Price、Place、Promotionの四つであり、モノやサービスが売れるときにはそれらのミックスが標的市場に対して効果的に展開されているときだとされる。
逆に日本語の「営業」にあたる単語はそこ出てこないが、おそらく「4P」のうちPromotionを「プル(宣伝広告やパブリシティ)」と「プッシュ」に分解したうちの「プッシュ」、それも更に「販売促進(ノベルティ配布やリベートなど)」と「人的販売」に細分化したうちの「人的販売」に重点を置いた概念ではないだろうか。
「プル」というのは「売れる」ための仕組み・仕掛け、「プッシュ」というのは「売る」ための仕組み・仕掛けのことだから、「プッシュ」の「営業」を強くすることで「売る」力は強まっても、「プル」がなければ「売れる」ようになるとは限らない。
社内で営業を攻めたてる人たちはこのことを忘れている(隠している)ことが多く、当の営業自身も売れない原因を製品や価格など他の4Pに求めることが多い。その可能性も十分にあるが、そこに行き着くまでに「Promotion」の中での問題点をまず検証してみる価値があるはずだ。
弊社の親会社(住友商事)は、世界中で約90店舗のディーラー経営を行っており、トヨタの店舗も多い。その中でタイのトヨタ店は他地域と比べてサービス・部品の売上が低く、収益の大半を新車販売に依存している。親自慢ではないが、住商のタイでのサービス・部品部門に対する教育・管理はタイ国内では勿論、住商の欧米等での水準をも遥かに凌駕するにも拘わらずだ。マーケットそのものにディーラーで整備・補修する習慣や動機が育っていないからだ。
こういうときディーラーレベルでサービスマネージャー、サービスアドバイザー、メカニックやレセプショニストの尻を叩くだけではモラルダウンを招いて却って戦力は下がるし、メーカーレベルでディーラーを非難するばかりではチャネルのロイヤリティが低下するだけである。
一丸となってサービス・部品が「売れる」ための仕組み・仕掛けを用意することの方がよほど建設的だ。
トヨタが世界で初めてのカスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)、e-CRB(ITを活用したカスタマーリレーションビルディングの意味)をタイに導入するというのは、メーカー自身がこの課題をよく承知していることの証であり、そこでイニシアチブを取ることの表明である。タイで成功すれば他市場にもヨコテンされるに違いない。
DBに蓄積されたユーザー情報や整備履歴、走行距離情報からシステムが最適な入庫予約タイミングを割り出してその時期に自動的にコールセンターに対してユーザーに電話をかけるよう指示が飛び、コールセンターはそれに従ってユーザーに入庫を促す電話を掛ける。
当面(車載端末が標準化されるまで)は走行距離をユーザー自身が入力せねばならず、不便さは残るが、ユーザー自身に喜んで入力させるためのMy Gazooのような仕掛けをインターネット上に用意するという。4月7日まで開催中のバンコク国際モーターショーでお目見えしたこのシステムはぜひ見ておきたい。

<加藤 真一>

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