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コラム

勝手にホームページ診断 (5)  『日産 エクストレイル』

自動車の販売・マーケティング活動におけるホームページの重要性は今後、更に高まっていくことが予想されます。

SE のキャリアを経て、現在は自動車好きの中小企業診断士、Web コンサルタントとして活躍する遠藤康浩が、その商品の持つ特徴や魅力が適切に消費者にコミュニケーションされているか、という視点から車種別のホームページを診断していくコーナーです。

【筆者紹介】
中小企業診断士。住商アビーム自動車総合研究所アドバイザー。(株)NTT-ATテクノコミュニケーションズでSEとして勤務後、経営コンサルタントとして独立開業。現在、中小企業向けホームページのコンサルティングを中心に活動。

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第5回 『日産 エクストレイル』

【今回の診断ホームページ:日産 エクストレイル】
http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/T31/0708/index.html

概要:日産のミドルサイズクロスオーバーSUV。「Xスポーツ」をモチーフとした、ガンガン使えるタフ・ギアを目指し成功した先代からのフルモデルチェンジ。ボディサイズをひと回り拡大し、最新の電子制御4WDシステム「オールモード4×4-i (ヨーモーメントコントロール)」を搭載し、さらに「ヒルディセントコントロール」と「ヒルスタートアシスト」の機能も加えた、ハイテクモデル。

ターゲット層:20代から30代の独身男性、子供のいない若い夫婦

診断のポイント:キープコンセプトで正常進化した二代目。既に海外では好評のモデルだが、日本のターゲット層にはどのようにアプローチし、先代以上のヒットを狙っていくのか。

【Webカタログと呼ぶにふさわしい充実のコンテンツ】

今回取り上げるのは、8月22日に発売されたばかりの日産エクストレイルである。
エクストレイルは若者をターゲットにしているだけあって、ネット世代を強く意識したホームページに仕上がっている印象が強い。

まずコンテンツの分量である。
スペシャルコンテンツに始まり、フォーカスポイント、カスタマイズカー、3D着せ替えシミュレータと、コンテンツの種類も豊富であるし、それぞれの中身も十分に濃いものになっている。
テレビや紙のカタログの補完としてのホームページではなく、Webカタログとして十分機能する内容である。

例えば「フォーカスポイント」を見てみると、このクルマの特徴が端的に3つに分類されており、詳細なアピールポイントが整理されている。閲覧者にとってとっつきやすい印象を与える。
詳細なアピールポイントは、動画を多用しており、観ることによる納得性を高めている。観たいところだけ観ることができるというホームページの特長をうまく生かしていると言えるだろう。
このような表現はテレビCMでも紙のカタログでも不可能であり、実際にディーラーに行って、実車を見るぐらいしか方法が無かったのである。
家に居ながらにして、ディーラーで説明を受けているような気分になるようなコンテンツであり、なるべくネットの上で物事を済ませたいターゲットになる世代から見ると「気が利いている」コンテンツである。

【ターゲットの心をくすぐる】

ターゲットの心のくすぐり方もうまい。

彼らにとって切実な問題はクルマを買うことによって、趣味にお金をかけられなくなることである。
そこでさりげなく、残価設定型クレジットの案内を出しておけば、彼らの問題を解決できる。
つまり購買に結びつく可能性が高くなるということである。
ちょっとしたことのようだが、ターゲットの特性を考えると、絶対にトップページに配置しておくべきコンテンツである。

また、「着せ替えシミュレータ」や「カスタマイズカー」などのカスタマイズに関する充実したコンテンツがある点も見逃せない。
彼らはスノーボーダーにしてもサーファーにしても、デザインにこだわり毎年のように板やウェアを買い換える、個性を大切にする層である。
その彼らにとって、カスタマイズが可能であるというメリットは大きいはずである。
ターゲットの特性をしっかり考えた上でのコンテンツの配置であることが見て取れる。

【ナビゲーションに改善の余地あり】

内容としては、ホームページの特長を生かしたとても評価できるサイトであるのだが、分量が多い故に、副作用としてサイト内のナビゲーションの悪さが目立ってしまった。

まず、自分が今どの位置にいるのかが、つかみずらい。
例えば「フォーカスポイント」の最初のポイント、「先進の4WDシステム」を選択してみる。
右端に矢印がでるので、それをクリックすることで画面が遷移していくのだが、次々に画面を遷移させていくと、いつの間にか次のポイント「ウォッシャブルダブルラゲッジ」の内容に移ってしまう。
せっかく3つのポイントに整理したのに、明確なポイント切り替えのきっかけが無いために、閲覧者を混乱させてしまう。これは非常にもったいない。
このように明確なきっかけが無いままに、次のコンテンツに移ってしまう箇所が散見された。

2つ目としては、しおり機能がないことである。
このホームページは分量が多いために一度に観るのがしんどい。
動画も多用されているため、このホームページをちゃんと観ようとすると、最低でも30分は必要だろう。
人によっては1時間くらい必要になるかもしれない。
仕事の合間にちょっと観て、またお昼休みに観ようとなった時に、自分がどこまで見たのかが分からなくなってしまう。
これだけの分量があるのであれば、しおりのような機能があった方がよいと思う。(技術的には可能なはずである。)

このナビゲーションの問題が解決できれば、Webカタログとしてはかなりの完成度になる。
この点だけはぜひ改善を期待したい。

<遠藤 康浩>

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