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コラム

くるま解体新書『ブランドマネジメント(2)』

弊社親会社であるアビームコンサルティング(旧デロイトトーマツコンサルティング)が、自動車業界におけるモノづくりから実際のチャネル戦略に至るまで、さまざまな角度から提案していく。

アビームコンサルティング ウェブサイト
http://www.abeam.com/jp/

第 7 弾は、アビームコンサルティング USA シニアマネージャーのクリスチャン・ボッチャーが、ブランドマネジメントについて 5 週に渡って紹介する。今回はその第2回にあたる。

第7弾『ブランドマネジメント(2)』

(日刊工業新聞 2004年11月17日掲載記事)

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ブランドとは品質、正統性、一貫性を約束する「信頼の印」だ。ブランドマネジメントに関する文献には、企業はあらゆる活動をブランドポジショニングに合致させ、その活動によってプロミス(約束)を強化するべきだと繰り返している。有形、無形にかかわらず、ブランドというものは消費者がブランドと関連づける全要素が調和したうえで、一貫して強調されなければならない。

これまで一部の自動車メーカーでは、有形資産の投資収益率を追求しすぎ、結果としてブランド力を損なうケースがあった。これは工場をフル稼働して大量生産した製品をディーラーに引き取らせ、今度はディーラーが消費者に押しつける。売れ行きが悪ければリベートやインセンティブを駆使して在庫をさばき、工場をさらに稼動させ続け、結果として無形資産であるブランドは深刻な打撃を被った。

過去の失敗に懲りた自動車産業は現在ブランドの重要性を再評価しつつある。

ブランドが財務上では無形でも膨大な資産になることは、以前から認識されていた。ブランドプロミスを守れなかった企業がブランド資産の価値低下を招き、その企業自体の市場価値まで下落した例もある。賢明な最高経営責任者(CEO)は、注意や投資の不足による商品の価値下落を防止するだけでなく強力なブランドを構築するための投資を欠かさない。ブランドを保有すれば、プレミアムを支払ってくれる高ロイヤルティー顧客や、販売量・シェアの拡大という大きなメリットを得られるからだ。

自動車産業においてブランドマネジメントを採用する5つの理由を説明する。

一つが戦略的プランニング。ブランドマネジメントとは、個々の製品レベルの戦略的プランニングでもあり、長期的なブランドエクイティー構築への戦略的集中を強く促す。

二つ目は、コモディティー化(商品等が安定的に均一化すること)。強力なブランドは、ユニークかつ長寿命だからだ。

三つ目は、グローバリゼーション。ブランドマネジメントの概念は、急速にグローバル化が進んだ米国から浮上した。グローバルブランドの構築と活性化には、国内外の業務の連携も含めたグローバルでのプロセスが必要となる。

四つ目が知的資本。ブランドマネジメントは「ベストプラクティスの収集と全世界への配布」という副産物を生む。すでに IT を活用して、ナレッジシェアを実践している例も多い。「知識はため込むのではなく、共有したときに力になる」という認識で人材評価する先進的な企業もある。

そして最後が価値。ブランドマネジメントとは、価格に基づくセールス活動から、価値に基づくマーケティングへの移行だ。価格は価値提案の一部に過ぎず、自動車は価格だけでなく、複数の要素を提供してその価値を訴求しなければならない。消費者がインターネットでディーラー価格を調べられるようになったことも、透明な価格制度や単一価格販売への移行を加速させるだろう。

目標は、消費者に、値引き価格ではなく、ブランドが持つ価値全体を評価してもらうことだろう。

< クリスチャン・ボッチャー>

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