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コラム

中国で生き残る(1)

弊社親会社であるアビームコンサルティング(旧デロイトトーマツコンサルティング)が、自動車業界におけるモノづくりから実際のチャネル戦略に至るまで、さまざまな角度から提案していく。

アビームコンサルティング ウェブサイト
http://www.abeam.com/jp/

第 3 弾は、アビームコンサルティングリサーチ担当の土方三千代シニアマネージャーが、中国のアフターマーケットについて 4 週に渡って紹介する。今回はその第1回にあたる。

第3弾『中国で生き残る(1)』

(日刊工業新聞 2004年07月07日掲載記事)
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中国自動車市場は経済発展と、モータリゼーションの到来とともに活況を呈している。中国汽車技術研究中心の調査によると、その規模は 2010年までに約800 万台に達し、日本を抜いて米国に次ぐ世界第 2 位の市場になる。当面、中国が日系の自動車・部品メーカーにとって魅力的な市場であることは疑う余地がない。しかし自動車メーカーの販売台数の伸びが、彼らに追随する形で中国事業に参入した部品メーカーの成功を保証するわけではない。4 回にわたって中国事業で部品メーカーが勝ち残るための条件を提案したい。

アビームコンサルティングは 04年 4月、住商アビーム自動車総合研究所と共同で、中国に現地法人を持つ主要日系部品メーカー 150 社を対象に、アンケートを実施した。アフターマーケットまでを視野に入れた中国事業への取り組み状況に関するアンケートで、31 社から回答を得た。

中国は 02年の世界貿易機関(WTO)加盟後、高い関税や輸入数量制限措置などが徐々に緩和、撤廃されている。市場開放により世界の自動車メーカーの中国事業が活性化し、輸入車と国産車を交えた本格的な競合時代を迎えている。

一方、購買層は法人需要から個人需要に拡大し、低価格車から高級車まで顧客ニーズの多様化が進み、製品開発力がシェアを獲得する上で重要になってきている。さらに、この 6月、中国政府が発表した「自動車産業発展計画政策」には、(1)シェアの 15 %以上の企業数社に集約する(2)輸出生産目的の場合には外資の出資比率の 50 %超を認めるなど外資系自動車メーカー、部品メーカーの中国事業戦略に影響を及ぼす内容が盛り込まれている。

シェア獲得競争が熾烈さを増し、部品メーカーに対して今まで以上の原価低減、品質管理、納期短縮への要求が厳しくなると予想される。中国事業の成功要因について質問したところ、最も重要視しているのは「自動車メーカーの生産・販売戦略」 (82 %)だったが、納入先自動車メーカーのシェア獲得が部品メーカー成功のカギを握ることを考えれば当然である。

同じ質問で 54 %の企業が「新規顧客開拓」と回答しているのは、自動車メーカーに追随する形で進出し、QCD (品質・コスト・納期)改善活動や現在の事業体制を維持することに追われていた部品メーカーが、採算性を高めるとともに、特定の自動車メーカーの依存度引き下げによるリスク分散や交渉力の強化を目指していると考えられる。

また、32 %の企業が「自動車メーカーとの国内市場向けの製品の企画・開発」と回答しているが、自動車メ-カーが製品開発機能を中国に移管していくことを踏まえ、開発力・提案力を強化していき、付加価値を高めることを狙っていると思われる。

新規顧客開拓と製品開発能力強化を目指す日系部品メーカーにとって、収益源としての事業領域と、製品開発・販売力強化につながる顧客ニーズの獲得の場となるアフターマーケットへ参入する意味は大きい。
次回は、アフターマーケットでの取組み状況について検証してみたい。

<土方 三千代>

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