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コラム

くるま解体新書 第10弾 『中国で生き残る(3)』

弊社親会社であるアビームコンサルティング(旧デロイトトーマツコンサルティング)が、自動車業界におけるモノづくりから実際のチャネル戦略に至るまで、さまざまな角度から提案していく。

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第 10 弾は、中国自動車メーカーの調達戦略を 5 週に渡って紹介する。今回はその第 3 回にあたる。

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第 10 弾『中国で生き残る(3)』

(日刊工業新聞 2005年6月15日掲載記事)

厳しさを増す中国自動車市場では、部品メーカーも新たな価値を自動車メーカーに提供できなければ、既存の取引が将来も継続する保証はどこにもない。

一方、旧型車から新型車への生産体制の切替えや、高い輸入部品から国内調達への切替えを急ピッチで進めている海外自動車メーカーは系列の枠に囚われない部品調達先を模索している可能性もあり、部品メーカーにとってはピンチでもありチャンスでもある。

自動車メーカーは今後、部品メーカーにどのような役割を求めているのか。
調達方針と合わせて、部品メーカーを選定する際に「企画・営業」、「設計・開発」、「調達」、「製造」、「IT」の機能について部品メーカーに求める競争力を 7 つの部品項目毎に質問したところ、高得点グループ(エンジン部品、駆動・伝動・操縦部品、懸架・制動部品、電子・電装部品)と低得点グループ(車体・外装部品、内装部品、用品・その他)の 2 つに分かれた。

今回はこの高得点グループについて考察する。

高得点グループの部品群に関する調達方針の特徴は、「モジュール化」と「一層の技術革新」が進むということである。モジュール化が進むということは、現在個々の部品メーカーから調達していた部品を、部品メーカー一社が取り纏めて供給することであり、開発や供給への要求が部品メーカーに対して厳しくなるものと思われる。単体での部品調達であっても、一層の技術革新が進む傾向が強いということは、更なる開発力が要求されると考えられる。

日系自動車メーカーを見てみると、製造、設計・開発に対する要求が高いが、海外で生産していたモデルを持ち込み、コストとスピードを重視した生産体制であっても、製造、設計・開発を重視するのは当然である。しかし今後、顧客の中心を担うと期待される都市部の中間層への拡大を考慮すると、市場でのシェア獲得にはモデルの多様化と新型車種の投入によるラインアップの拡充は必須である。

これまで、生産重視で、販売体制が未整備であった中国では自動車メーカーも十分な顧客ニーズの情報を収集しきれていない。「企画・営業」力への期待度が 5年後に特に上昇するということは、例えば「道路の舗装が悪い」、「走行距離が長い」など中国ならではのニーズを的確に捉えた製品開発をする上で、マーケティング力や現地での自動車メーカーとの共同体制に素早く対応することなどを部品メーカーに求めているものと考えられる。

この部品グループは高付加価値なものが中心となり、機能・性能とコスト競争力のバランスが重要視される。モジュール化が進めば KD 組立方式から現地生産へ切り替えていくことになる。

部品メーカーがより付加価値を付けるためには、現地での開発能力を備えた生産体制を早期に構築し、自動車メーカーが計画する新型車の企画段階から積極的なマーケティングを行い、製品の技術力や提案力などの能力をアピールすることが、既存の取引関係を強固なものとし、また、新たな販路の開拓に結びつくと思われる。

次回は、低得点グループ(車体・外装部品、内装部品、用品・その他)の部品群について考察する。

<土方 三千代>

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