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コラム

中国フラッシュニュース(22)『中国民族系メーカーのアキレ…

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

第22回『中国民族系メーカーのアキレス腱』
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2004年は、奇瑞汽車、吉利汽車、長城汽車等をはじめとする中国民族系自動車メーカーにとって非常に厳しい一年だったと言える。いずれも、販売台数が年初目標に遠く及ばない状況である。

不振の国内市場を補うために、中国民族系自動車メーカーは積極的に輸出を図ろうとしている。しかし、ここで思わぬ問題が急浮上してきた。運ぶための「船」がないのである。

中国の海運会社は、これまで自動車輸送船を全く持っていなかった。そのため、中国からの自動車輸出は、日系大手海運会社(日本郵船、商船三井、川崎汽船等)と韓国の海運会社に頼らざるを得ない。

これらの中国民族系自動車メーカーは、「日系海運会社から差別を受けている」と憤慨している。吉利汽車によれば、日系海運会社が、日系自動車メーカーの自動車を運ぶ場合、「台数単位」で輸送費用を算出しているが、吉利汽車の車を運ぶ場合、「占有体積」を単位として算出しており、それだけで日系自動車メーカーより 5~ 10 %高い輸送費用を負担しなければならないという。

吉利汽車の車をエジプト、シリアに運ぶ場合、一台あたり 700 米ドル、南米に運ぶ場合 1,300~ 1,500 米ドルかかるという。輸出平均単価が 5,000 米ドル未満の吉利汽車の車にとっては大きな負担となる。

吉利汽車の李書福董事長は自社船を所有することも考えていたという。しかし、韓国の中古船を購入した場合、8,000 万米ドル、中国で新造する場合、1 億米ドル以上かかるとわかり、断念せざるを得なかった。

一方、中国の海運会社は、こうした状況もあり、少しずつ動き出している。
中国系大手海運会社の COSCO は、自動車輸出市場がまだ読めないとしながらも、2004年 10月に新たな専門会社を設立し、日本から中古船を 2 艘(1 艘が約 1千台の自動車を積載可能)を購入した。中遠集団も来年自動車輸出業務への参入を計画しており、すでに外国から中古船 3 艘(1 艘 700~ 1,000台積載可能)を購入した。

専門家の分析によれば、2007~ 2008年頃になれば、自動車輸送船の状況も緩和・好転するだろうとしている。中国民族系自動車メーカーの苦悩は当面続きそうだ。

<張 浩群>

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