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コラム

AYAの徒然草(71)  『未来があるって素晴らしい!!』

仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。

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第71回 『未来があるって素晴らしい!!』

「人生最期の24時間。あなたは誰のために生きますか?」

このフレーズにピンと来た方は、私が今はまっているマンガ「イキガミ」をご存じの方です。先日、「すっごくおもしろいからちょっと読んでみてよ」と友達に薦められて読んでみたんです。最初は「所詮マンガでしょ?おもしろいって言ったって・・・」と高をくくっていたんですが、読んでいくうちに、意外とまじめなストーリーに私はなにかジーンと込み上げてくるものがあったんです。

ご存じない方のためにストーリーを簡単に説明します。国民の全てが、小学校の入学と同時に感染症の予防接種を受けることを義務付けられます。これを「国家繁栄予防接種」と言います。実は、この予防接種のワクチンそのものは重要ではなく、重要なのは、そのときに使用される注射器なのです。注射器には 1000本に 1本の割合で、ナノカプセルが混入されています。1000 人のうち1 人の体内に注入されたカプセルは、その人間の体内を巡り、やがて心臓に到着し、留まります。そして、それはその人間の 18~ 24 歳の間のあらかじめ設定された日時に体内で自動破裂し、死に至らせます。しかし、その恐ろしいカプセルが誰に注入されたかは、国民の誰も知ることができないのです。
つまり、国民は、その時期が来るまで、「もしかして自分は 18~ 24 歳の間に死ぬのでは?」という恐怖感と危機感を持ちながら成長するのです。その危機感が、人に「命の価値」に対する認識を高めさせ、その意識が国の生産性をも高めます。また、体内にカプセルを注入された国民の元には、死ぬ 24時間前にその日時が記載された通知書「死亡予告証」が配達されます。その予告証のことを通称「逝き紙」(「イキガミ」)と言います。マンガは、お役所のイキガミ配達員の目を通して、イキガミを受け取る人の死までの 24時間の様々な想い、人間の命のはかなさ、そしてそれらにまつわるいろんな人間模様を語っているんです。
ところで、気のせいかもしれませんが、最近私の周りには「やりたいことがみつからない」と悩んでいる友達が多いのです。と言っても、私には、彼女たちが今やっていること(今の仕事)に満足しているように見えるんです。そういう反論をしてみると、「お給料の面や、しんどくないという面では満足しているけれども、本当に自分がやりたいことができているのか?と問われれば、素直に首を縦には振れない」と言うんです。
そんなことを言われたら、私だって同じです。現状に不満があるかと言われたら、それはないと答えます。でも、「やりたいことは全てできているか?とっても満足しているか?」と問われれば、「うーん、そう言われると、もっとやりたいことはほかにあるかもしれない・・・。」と、ちょっと欲を出して考えてしまいます。
でも、私はそれでいいと思うんです。それは、今、自分が本当にやりたいことがみつからない状況でも、つまり、やりたいことを模索中の状況でも、また、本当にやりたいことがみつかってそれに向かってまっしぐらの状況でも、どっちでも時間は同様に進むからです。だったら、なんでもいいからとりあえず小さな目的を持ってなにかを始めている方が、本当にやりたいことに早く出会えるような気がするんです。すなわち、「やりたいことがみつからない」という状況でも、なにもやらないで立ち止まっている状況よりは、なんでもいいからなにかを始めている(やっている)ほうがマシということです。

しかし、こんなふうに私が考えたのは、さきほどのマンガ「イキガミ」を読んだ影響が強かったからかもしれません。人生いつ終わるかわからないのですから、早くやりたいことを見つけたほうがいいと思ったのです。また、私は「イキガミ」のおかげで、ほかにもいろいろと考えてしまいました。もしも私が「イキガミ」を受け取る 1000分の 1 の国民に当たってしまったら・・・。私がイキガミを受け取った瞬間どう思うか?「あー、私の人生、明日で終わりか・・・。短かったけど、これまでの人生ほんとに良かったな。やりたいことができていたな。」と思えるかなぁと考えてしまったのです。つまり、これまでの人生を後悔するかしないかを考えたのです。私の場合、これまでの人生を振り返ると、後悔することはあんまりないなぁと思うことができます。でも、当然「いやだ!もっとやりたいことはたくさんある!!まだ死にたくない!!」という気持ちの方が強いです。

しかし、私の言う「やりたいこと」とは、仕事のことではありません。私はこんなことばかり思いつきます。たとえば、好きな人ともっと一緒に居たいとか、家族と楽しい時間を過ごしたいとか、美味しいものを好きなだけ食べたいとか、憧れの芸能人に会ってみたいとか、まだまだ行ってみたいところは世界中にたくさんあるからそこに行きたいとか・・・。
でも、これらのことって、死ぬ 24時間前にやったって、きっと楽しくはないんだろうなぁとも思うのです。だって、自分が明日死ぬとわかっていたら、美味しいものも美味しくなくなりますし、好きな人に会ったって「これが最後になる」とわかっていますから、なんだか悲しさが一層溢れてきてしまいますよね。

ということは、今、私が好きな人と一緒に居て「楽しい」と感じたり、なにかを食べて「美味しい」と思えるのは、「今」が楽しい証拠であることはもちろんのこと、「未来」があるからなんだと実感しました。そして、その「未来」が当然「明るい」と思っているからこそ「今」を楽しめるんですよね。こんなこと、今まで考えるきっかけがなかったので、なんだか新しい発見をしたような気がして不思議な気分になります。
こんなふうに、「イキガミ」は、意外なテーマを与えてくれるマンガなんです。よくある明るくて夢のあるマンガではありませんが、根底にまじめなテーマが隠れていて、「未来があることの素晴らしさ」を実感できる不思議なマンガなのです。きっと、そこがこのマンガの人気の秘密なんだと思います。なんと、「イキガミ」は映画化され、今月の終わりから公開されるんですよ。
「今、とても充実している」「今、とても楽しい」と、「今」輝いている人は、すでにそう思えること自体が、「明るい未来」の兆しなんだと気づきました。わざわざマンガ「イキガミ」を読まなくても、日頃からそう感じる瞬間があるならば、それが一番幸せなことなのかもしれませんね。

<佐藤 彩子>

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