中国フラッシュニュース(34)『第三勢力」の後退

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

第34回『「第三勢力」の後退』

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3月 23日、家電企業の奥克斯(AUX)グループは、傘下の瀋陽奥克斯汽車有限公司の生産停止を正式に発表した。

2002年以降、携帯電話メーカーの「波導」、家電メーカーの「美的」、「新飛」など、続々と異業種メーカーが自動車産業への参入を発表し、一時 100 億元レベルの投資が見込まれていた。自動車業界では、これらの新規参入者を国有企業、外資企業に次ぐ「第三勢力」と持てはやした。

奥克斯は、2003年 10月、50 百万元で瀋陽双馬汽車公司の 95 %の株式を取得した。そして、2004年 2月、5年以内に 80 億元を投じ、年間 45 万台の自動車生産を目指すという壮大の計画を発表した。

しかし、2004年末、ふたを開けてみると、奥克斯の年間販売台数はわずか 20百台という惨憺たる結果に終わった。

2004年後半に「波導」が自動車生産からの撤退を発表して以降、「第三勢力」と呼ばれた各企業は、雪崩を打つように続々自動車産業から姿を消していった。

「第三勢力」が敢え無く退場に至った原因は 2 つあると言われている。

1.リソースの欠如
これらのほとんどの企業は、自動車分野における技術集積がほとんどなく、資金力も乏しかった。

2.自動車産業政策
国の自動車産業政策は大きなハードルとなった。元々国の自動車政策は、大手国有企業に傾斜していた。2004年 6月、新しい自動車政策が発表された。
そのなか、自動車新規参入が審査制から認定制に変わったものの、実際、2004年 6月以降、多くの自動車(乗用車)製品の申告に対して、関連機関からは一件の公示も行わなかった。

<張 浩群>