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コラム

中国フラッシュニュース(37)『東風汽車の課題は「ポスト苗」』 

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第37回『東風汽車の課題は「ポスト苗」』

5月の GW が 明けた後、中国のメディアは「苗氏が東風汽車総経理を離任」とのニュースを一斉に報道した。(未確認の情報としては、湖北省の党副書記に転任という噂もある。)そもそも苗氏の東風汽車離任の話題は、ここ数年間出たり消えたりしており、最早新鮮な話題ではない。筆者も何回か苗氏と「雑談」した際に、早く北京に戻り、「単身赴任生活」を解消したいという苗氏の心内が感じられたことを記憶している。

1997年、苗氏は、元機械工業省汽車局副局長から東風汽車へ転じたが、着任した当時の東風汽車は、湖北省の山間部に連綿 60km に及ぶ工場を擁するものの、年間 5 億元の赤字を出す瀕死状態に陥っていた。その後 8年間に及ぶ苗氏の東風汽車勤務は、同社に大きな足跡を残したと言える。彼が推進した「東風汽車の改革」も常に賛否両論が付きまとうが、それも彼の存在の大きさを表しているとも言える。

<光の面>
・東風汽車の目標を「商用車で中国一、世界三位」と設定
・本社を武漢へ移転し、「走出山区」(山から出る)戦略を実行
・赤字体質を脱出し、2002年に史上最高益(60億元)を実現
・PSAとの提携関係の強化
・日産と中国最大規模の自動車合弁会社を設立
・ホンダと合弁企業を設立

<影の面>
・構造改革、外国企業との合弁により、多くの労働者が職を失い、しかも十分な補償をできなかったことが、常に中国社会、一部のメディアから攻撃の対象となってきた。

・合弁企業の業績が期待ほど上がっていない。2004年、PSA との合弁会社である「神龍汽車」が 5.4 億元の赤字を出した。また、日産ブランドの乗用車もモデルチェンジのタイミングにあたり、販売台数を大幅に落としている。

一時期、中国のメディアは、苗氏を「中国のカルロス・ゴーン」と持ち上げたが、最近では、「戦略には優れているが、実行力についてはカルロス・ゴーンに遠く及ばない。」との評価が定着しつつあるようである。

苗氏の後任の総経理と目される徐氏は、苗氏の大学のクラスメートであり、東風汽車の生え抜きである。今後の徐氏の手腕に注目が集まる。

<張 浩群>

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