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コラム

中国フラッシュニュース(39)『上海汽車 vs MG Rover』

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第39回『上海汽車 vs MG Rover』

最近、上海汽車が長期戦略を発表した。その中、同社の独自ブランドの戦略は MG Rover にも深く関わっているため、業界の注目を集めている。

上海汽車の傘下には、合弁会社として上海 GM と上海 VW の二つの大きな柱がある。しかし、第三の柱となる「自社ブランド」の育成は、上海汽車にとって悲願のテーマである。上海汽車の胡茂元総裁は、5月 17日、GM ワグナー会長も同席したシンポジウムにおいて、「我々の合弁企業は大きな成功を収めた。しかし、合弁企業自身にも持続可能な発展という課題がある。そのためにも、自主開発の意義は非常に大きい。」と力説した。

2007年始めに発売、初年度販売台数 5 万台を目指すという上海汽車の独自ブランド車の戦略には、上海 GM、上海 VW のこれまでの軌跡が大きな影響を与えているといわれる。両社の大きな違いは、「高級車→低価格車」という戦略か、「低価格車→高級車」という戦略か、という点である。

上海 GM は、中国市場では後発であったにも関わらず、まず、Buick という(中国においては)高級ブランドを先行投入し、ブランドイメージを構築した上で、Sail (OPEL Corsa)などの低価格車を投入することで、販売台数を伸ばしてきた。一方、VW は、南北に 2 つの合弁会社を持っていることもあり、車種選定が簡単ではなく、上海 VW には、まず、低価格車の Santana を投入し、その後、Passat を投入したものの、ブランドイメージが期待通りに向上せず、シェア低下に歯止めをかけられていない。

こうした状況を踏まえ、上海汽車は、自社ブランド開発戦略として、「高級車→低価格車」という戦略を選択することを決めているという。しかし、現在、上海汽車が独自に高級車を開発する能力は不足していると言わざるを得ない。

上海汽車が MG Rover を必要とする理由もこのあたりにあると見られる。実際、MG Rover との合弁計画は、同社の倒産により白紙に戻ったものの、昨年、上海汽車は 67 百万ポンドを費やし、ROVER25、ROVER75 のコア技術と一部のエンジン開発技術とそれに関する知的財産権を確保している。

上海汽車にとって、MG Rover は、新たな合弁相手というよりも、独自ブランド車の戦略において、高級車を開発するための重要なリソースなのであろう。

<張 浩群>

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