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コラム

AYAの徒然草(73)  『私も「自分」が主語になりたい』

仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。

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第73回 『私も「自分」が主語になりたい』

二ヶ月位前から半身浴をするようになりました。きっかけは、年下の同僚から「半身浴(少しぬるめのお湯に胸から下だけ 20分以上入る入浴法)をしてから寝ると、次の日の朝まで体がポカポカしていますよ」と言われたことでした。私は、今年の夏の暑さ盛んな頃、暑いのになぜか足の先だけは冷たく感じ、少し悩んでいたんです。もしかして冷房病かもしれない、なにか良い策はないかなぁと考えていたところにその一言を聞いたこともあり、私は迷わず試してみたんです。そうしたら、なんと数日で治ったんです。
今では、体を温めること以外にも半身浴を楽しんでいます。お風呂の中でアロマキャンドルをつけてリラックスしながら、防水 CD プレイヤーでお気に入りの音楽を聴き、そして本を読んだりしているんです。そうすると、湯船に浸かっている長い時間があっという間に過ぎるんです。気づいたら 30分、40分経っているなんてこともよくあります。また、湯船に浸かりながら瞑想にふけって考え事をすることもありますし、浴室の天然エコーを使って大きな声でカラオケの練習をすることだってあります。歌が上手くなった気分になり、ストレス発散効果もありそうです。

こんなふうに、すっかり半身浴を楽しんでいますが、でもきっかけが、その同僚の一言でなければきっと始めていなかっただろうな、と思うのです。なぜなら、私はその同僚をとても信頼しているからです。一緒に仕事をしているうちに信頼が生まれ、私の中ではたとえ仕事以外のことでも、「彼の言うことには間違いはない」という確信を持てるほどなんです。つまり、彼の言うことはなんでも、無条件に良いと思い受け入れることができるのです。疑いの目は全く向かないのです。
それは、こういうことを意味します。私が半身浴をしてみて、万が一、「こんなに長い時間、湯船に浸かるのは苦痛だし、体に良いことなんてなさそうだわ」と感じた場合でも、それは決して彼のせいにはならないのです。「私のやり方が間違っていたのかなぁ?正しい半身浴ができていなかったのかもしれない。」というように、半身浴を楽しめなかった非は、彼ではなく、私に向けられるのです。
また、同じように絶対的な信頼をおいている同僚がほかにもいます。彼も私よりも年齢は下ですが、彼が「この折りたたみの傘、とても良い」と言えば、理由なんか聞かなくてもなんだかとても良く思えてくるのです。だから、私も同じ傘を買って使っています。確かに、使ってみると小さくて軽くてとても使い心地が良いのです。それに、その同僚が「こないだ観た映画、とてもおもしろかった」と言えば、「私もその映画を観てみようかな」と自然と興味がわいてくるし、「こないだ行ったレストランはとても美味しかった」と言えば、「私も行ってみたい」と素直に思えるんです。半身浴を薦めてくれた同僚と同じで、私は彼の言うことも無条件に良いと思い、受け入れられるのです。

二人とも私より年下ですが、「信頼」に年齢なんて関係ないんですね。また、普段、何気なく接している中で、いつの間にか私の中で二人の信頼度がこんなにも上がっていたことに、自分でもびっくりしています。それは、元々彼らには人間的な魅力があって素晴らしい人たちだから、ということは言うまでもないことです。
ところで、よく、「成功者」の象徴として、高層マンションに住み、高級車を乗り回し、そして「この人、全身で総額一体いくらになるんだろう?」と思うほど、いかにも高そうなスーツやきらびやかな腕時計などで身を固めている男性っていますよね。自分の成功の証、つまり名誉や権力などを「もの」で誇示している男性です。
確かに、こういう男性は誰が見たって「お金持ち」に見えます。ここまで来ると、近寄りがたいくらいです。「あんなにすごいマンションに住んでいるんだから、あの人はきっとすごいお金持ちなんだわ」とか、「あんなにすごいクルマに乗っているんだから、あの人は、相当すごい人なんだわ」と思うのは普通なのかもしれません。きっと、女性にだってモテるはずです。事実、そういう男性が自慢げに連れている女性は、100 mくらい離れていてもわかるほどの美人で、高級ブランド品できらびやかに着飾られた女性が多いものです。お付き合いをする女性すら、自分の権力を誇示する手段の一つになっているんです。
でも、私は、こういう男性は、成功者の中では格が低い方だと思うんです。どういう人を「成功者」と呼ぶのかここでは特に定義はしませんが、本当の成功者は、他人から成功の度合いを「もの」で判断されないと思うんです。逆だと思うんです。つまり、主語が、「もの」じゃなくて「その人自身」になると思うんです。

それは、こういうことです。「あの男性が持っているカバン、どこかのブランドものじゃなさそうだし地味だけど、きっとあの人が持っているカバンだから良いカバンに決まっている」とか、「あの男性が身につけている腕時計、どこのブランドかわからないけれど、でも、あの人が使っている腕時計ならきっと良い時計に決まっている。それに、あの人がするとなんかカッコ良く見える」というように。

すなわち、その人が身につけていなければ「もの」自体にはそれほどの価値はなくても、その人が身につければ、そのものにうんと高い価値が生まれる。そんな人が「格上の成功者」なんじゃないのかなぁと思うのです。さきほどお話しした私の信頼している同僚二人も、この「格上の成功者」にとても似ていると思うんです。それは、主体が「もの(事柄)」ではなくて「その人自身」にあるからです。彼らが私に良いと言った「半身浴」や「折りたたみ傘」、それに「映画」や「レストラン」などは、そのもの自体には特別な価値はありません。でも、「彼らが」私に良いと言ったから、私の中でそれらのものに「高い価値」が生まれたんです。他人にそういう価値を与えることができる人ってなかなかいないと思うんです。そう思うと、彼らに対し尊敬の気持ちも募ってくるものです。

私もそういう女性になりたいです。「佐藤さんが言うことなんだから間違いない!」と思われるような女性になれたらいいなぁと思うのです。また、究極は、「住商アビームは素晴らしい会社だから、そこに勤めている佐藤さんも充実した日々を送っているに違いない」と思われるんじゃなくて、「佐藤さんが仕事にやりがいを感じ、充実した日々を送っている会社なんだから、住商アビームは素晴らしい会社に違いない!」と思われるようになりたいです。もしもそんなふうに思われるようになれたら、私は心底嬉しいです。でも、それには、誰からも信頼される人間になるのはもちろんのこと、謙虚さも備わった女性にならないといけませんね。「半身浴」で長い時間湯船に浸かって瞑想にふけっていたら、こんな新しい目標(夢?)が見えてきました。

<佐藤 彩子>

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