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コラム

中国フラッシュニュース(43) 『泥沼に陥った「三角恋愛」』 

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第43回『泥沼に陥った「三角恋愛」』

最近、東風悦達起亜(KIA)の董事長胡長林氏が公の場で東風汽車を批判し、東風汽車に離脱を迫った。

東風悦達起亜は、江蘇悦達集団 25 %、東風汽車 25 %、韓国現代起亜 50 %の出資により設立された合弁企業であり、江蘇省の塩城市に立地し、現在、韓国 KIA ブランドの乗用車を生産している。

紛争の発端は東風汽車と韓国現代起亜との間で起こった、販売代理権を巡る主導権争いにあると言われている。双方の関係が一向に改善されず、2003年に計画された第 2 工場も未だに着工されないままでいる。

江蘇省・塩城市など地方政府の利益を代表する悦達集団が、この合弁企業の行方を心配し、東風汽車に対し 2 億元の手切れ金を支払う代わりに、東風汽車に合弁企業からの離脱を提案した。しかし、東風汽車はこの合弁会社から離脱する意思がなく、逆に悦達集団の持つ 25 %を買収したいと表明した。その結果、悦達集団と東風汽車との関係が完全にこじれさせた。

江蘇省・塩城市と悦達集団が一番危惧しているのは、現代起亜が紛争に嫌気をさして、合弁会社から撤退してしまうことである。そうなった場合、地方政府にとっても、雇用、税収を失うだけではなく、インフラ整備に先行投資した数十億元の資産が「不良債権」になってしまう恐れがあるからである。

もう一つ、この問題が注目を集めていることは、背後にある現代起亜の動きである。中国の自動車政策により、一つの海外自動車メーカーに対し、中国における合弁パートナーは乗用車 2 社、商用車 2 社までと定められている。韓国現代自動車(傘下の起亜自動車を含む)には、すでに北京汽車 (乗用車)、東風悦達起亜(乗用車)、江准汽車 (商用車)、広州汽車(商用車)の 4 つのパートナーがおり、規制枠を満たしているいる。更に市場拡大を目指すためには、これらの 4 つのパートナーの間で、集約・合併を促したうえ、「枠」を浮かすしか方法がない。現在、世界で最も勢いのある自動車メーカーの一つである韓国現代グループとしても、いつまでもこのこじれた関係に付き合ってはいられなくなっている。

この泥沼に陥った「三角恋愛」の行方に、自動車業界関係者の目は離せない理由はここにある。

<張 浩群>

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