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コラム

中国フラッシュニュース(49) 『小型車論争』

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第49回『小型車論争』

石油の長期的な高騰が及ぼす中国の自動車市場へのインパクトが、徐々に目に見える形で現れてきた。2005年 1~ 5月に販売された 134 万台の乗用車の中で、排気量 1.0L 以下の車種が 33%、1.0L~ 1.6L の車種が 37% を占めている。また、排気量 1.6L 以下の乗用車の販売台数は前年同時期に比べ 33.3% も増加した。間違いなく、中国乗用車市場の中心は小型車が担っている。

国としても、環境にも優しい小型車普及への優遇策を相次いで打ち出している。2004年 6月に公表した「自動車産業発展政策」でも、省エネルギー、小排気量自動車の生産・使用が奨励されている。

しかし、「上に政策あれば、下に対策あり」というのが、中国社会では常識である。現在、未だに政策とは矛盾する小型車の使用制限を設けている都市は60 以上にも上る。これらの都市の行政担当者の大多数は、小型車の使用制限の根拠として、「都市の美観上、望ましくない」と説得力に欠ける理由を指摘している。

最近、中国のメディアは、これらの都市が小型車を規制する背景として、「官尊民卑」意識が作用していると激しい批判を展開した。

中国の多くの都市において、自動車の急増による道路の混雑は激しくなる一方であり、大きな問題となっている。購買層が多い小型車の使用を規制すれば、自動車の増加を抑制しながら、(一般的に大型車が多い)公用車の使用には影響が及ばない。つまり、役人は自分の利益だけを考えているという批判が広がっている。

ここに来て、小型車の使用規制に対する批判に、メディアだけではなく、自動車メーカーも参戦しそうな気配をみせている。自動車メーカーとしても伸び悩む乗用車市場の拡大に向け、潜在購買層が最も多い小型車市場の規制自由化を、指をくわえて待っているわけにはいかないであろう。社会問題まで巻き込んだ「小型車論争」はますます白熱しそうである。

<張 浩群>

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