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コラム

中国フラッシュニュース(57) 『中国における自動車の廃車・解体』

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第57回『中国における自動車の廃車・解体』

中国では、これまでほとんど一般市民の視野に入っていなかった自動車の廃車・解体問題が、にわかに注目を集めつつある。

北京では、2004年まで 2 万台のタクシー(シャレード等)が廃車期限に達していたにもかかわらず、これまでほとんど解体工場に現れなかった。また、北京の自動車保有台数がすでに 230 万台を超え、年間 5 %程度の比率で廃車になると仮定すれば、約 8 万台の廃車が出るはずなのに、実際廃車・解体されたのはわずか 3 万台程度にとどまっている。

いったい、廃車・解体されるべき車両はどこへ消えたのだろうか。研究者の調査等によると、その真相が徐々に水面に浮かび上がってきた。多くの車が「リニューアル」され、農村部で「活躍」しているというのである。

国の規定によって、廃車回収価格は 350 元 / トンと定められている。しかし、闇市場では、廃車となった VW サンタナ等が 1 万元程度で取引されているのが実態である。これらのクルマは「修理」「部品交換」された後、車両管理の緩い、遠い農村部にて 2~ 3 万元で販売されていく。業者にとっては、原価の倍で販売するボロい商売となっている。

しかし、これらの「リニューアル車」は、頻繁に事故を引き起こし、「殺し屋」と恐れられている。

国もこうした事態を重く見て、政策・制度の整備や解体工場の育成に着手したものの、多くの問題に直面している。2004年に廃車基準に関する通知を出したが、「細則」が未だに公表されておらず、実効性が伴わない。また、解体企業もほとんど国有企業が占めており、ビジネスに積極的に取り組む意欲が極めて低い。

中国の自動車産業において、最も先進国に遅れを取っているのは、「静脈」部分の整備かもしれない。

<張 浩群>

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