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コラム

中国フラッシュニュース(58) 『「市場換技術」政策の破綻・終焉』

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第58回『「市場換技術」政策の破綻・終焉』

中国汽車技術中心(センター)が 9月 27、28日に、天津で「天津国際自動車フォーラム」を開催し、中国自動車関連の政府機関、メーカー、教育・研究機関、いわゆる産官学の重要人物が多数参加した。筆者もこの場に呼ばれ、出席した。

フォーラムは、「自主ブランド」議論一色であった。その中で、10年来中国の自動車産業政策を「主導」してきた「市場換技術」論が激しい批判を浴びていた。1994年以降、「市場換技術」(市場をネタに技術を獲得するという政策)と「高度独占」(大手メーカーによる独占を進め、メーカーの集約を図るという政策)という二つの論理が、自動車政策策定者の「信条」となっていた。

つまり、大手国有企業を優遇する一方、外国企業には門戸開放政策をとり、国有企業が外国企業と合弁企業を推進する過程で、技術を習得させるというのが骨子であった。

しかし、10年経った現在、中国の自動車市場では、外国ブランドの自動車が独占的に販売されたにもかかわらず、中国の大手国有メーカーの「技術習得」が一向に進まなかった。このような状況に対して、自動車政策制定者が大きな失望を味わうだけではなく、世論も日増しに批判を強めつつあるのが現状である。

「市場換技術」政策への批判が強まる中、大手国有企業はジレンマに陥りつつあり、苦悩を深めている。国有三大メーカーがいずれも外国有力メーカーとの合弁事業によって莫大な有益を得ているからである。一方、政府、世論からの「自主ブランド」への期待にいつまでも応じないわけにもいかない。そのため、最近、第一汽車、上海汽車は、それぞれ 2010年に向けて、「自主ブランド車」開発の計画を公表せざるを得なかった。

いずれにしても、「市場換技術」政策はすでに転換期を迎えつつあり、中国自動車政策の行方に注意を払う必要があるのではなかろうか。

<張 浩群>

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