中国フラッシュニュース(61)『「経済型乗用車(エコノミーカー)基準」の策定』

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第61回『「経済型乗用車(エコノミーカー)基準」の策定』

天津にある中国汽車技術研究センターは、最近「経済型乗用車基準」案を作成し、意見徴収用のドラフトとして、各自動車メーカーに配布した。政府側の狙いとしては、第十一次五ヵ年計画(2006~ 2010年)中、経済型乗用車の基準を決定・導入した上で、乗用車の消費税導入に着手したいという。

この案の中では、以下3つの選択肢が提示されているという。

排気量(cc) 長さ(mm) 幅(mm) 高さ(mm)
1049     3650    1520   2000
1349     3850    1590   2000
1549     4070    1660   2000

排気量、ボディサイズのほか、現在、燃費、出力に関する詳細基準も制定中と言われている。

政府が「経済型乗用車(エコノミーカー)基準」を策定しているのには、幾つかの背景がある。

1.昨今の原油価格高騰もあり、政府は「省エネ」政策の施行を急いでいる。

2.政府は小型車使用を推進しているが、地方政府が一向に応じない。
北京、上海、広州などの大都市では、小型車は安全性能、環境性能などに問題があるとして、それぞれ登録を禁止する条例を講じている。
そのため、政府が新たに「経済型乗用車基準」を制定し、税制上の優遇策を講じることで、省エネ政策を推し進める考えである。

<張 浩群>