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コラム

中国フラッシュニュース(64) 『中国自動車金融の最新動向』

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第64回『中国自動車金融の最新動向』

上海金融監督当局の集計によると、上海市では銀行による自動車ローンの融資残高が急激に下がっている。

2005年年初、残高が 79 億元、2005年 7月末に残高が 59 億元、2005年 10月末に残高が 51 億元となり、2005年だけで、自動車ローンの残高が 40 %減る見通しである。

この原因は三つあると言われる。

第一に、新車価格の値下がりの影響。何年か前にローンを開始して完済し終わったローン契約に比べて、新規に獲得してくるローン契約は新車価格が 20 %下がっていることも多く、残高にはその影響が次々に現われてくることになる。

第二に、ローン利用率の低下の影響。2003年には自動車購入者の 30 %が自動車ローンを利用していたが、今年の利用率は 10 %未満と推計される。

その背景には、保険会社がかつて銀行に対して差し入れていた保証(正確には顧客のローン返済の不払い時に支払う信用保険)を昨年以降依然として拒絶したままで、与信審査のノウハウのない現地銀行がローンの承認を渋っていることがあげられる。頭金を多めに取る傾向もローン残高減少に寄与していると思われる。

第三に、これが非常に目下の中国に特有の困った現象なのだが、物納返済の増加があげられる。つまり新車価格がローン残高よりも低下するケースが続出している(実際に 2003年当時と比べると 30 %以上値下がりした車種も珍しくなく、そうした車種ではローン残高よりも新車価格が低くなる)ために、既に古くなった自らのクルマのローンを返済し続けるよりも、ローン契約を破棄して新車を購入した方が得だという意識が生まれ、ローン返済を意図的に拒絶して車両の差押さえ(現物納入)を希望・要求する消費者が出てきているのだ。

契約上物納が認められるかどうかは別として、現実に滞納が数多く発生して不良債権化している以上、銀行としては引当を積むか、差押さえして処分する以外になく、いずれにせよ結果的にローン残高が急速に減少する原因となっている。

銀行系の自動車ローンの惨憺たる現状を横目に、自動車メーカー系のノンバンク(キャプティブ・ファイナンス)はここに来て急速に事業を拡大し、市場に浸透しつつある。

上海汽車 GM 金融公司によると、2004年 8月の開業後半年間の成約件数は合計で僅か 500 件にとどまったが、残り半年で 4500 件を獲得し、1年間通算では 5000 件の契約だった。最近加速度を増しており、最近 3 ヶ月だけで 新たに 4000 件を獲得したという。その背景は明らかではないが、体制が整ってきて自社の与信条件と販売戦略に基づき活動を積極化しているためと思われる。

キャプティブ・ファイナンスとして認可を得て設立しているのは、上海汽車GM のほか、VW、DC、トヨタなど 5 社である。他の 4 社の動向も今後見逃せない。

<張 浩群>

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