中国フラッシュニュース(67)『中国における自動車修理市場の現状』

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。
住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第67回『中国における自動車修理市場の現状』

現在、中国では、自動車のクイック修理事業が注目を集めている。自動車の修理に関しては、4S 店(新車ディーラー)、専門店チェーンであるクイック修理店、道端の個人修理店の三形態が存在している。工賃で比較すると、比較的に簡単な部品交換であれば、クイック修理店は、約 4S 店の約半分程度、道端個人修理店は同 1/4 程度が相場である。

道端の個人修理店は価格競争力は高いが、コピー部品を多く取り扱っているため、信頼性は非常低い。そのため、クイック修理店は、4S 店より安く、また品質・信頼性もそこそこあり、現在の市場ニーズにマッチしており、業績を伸ばしている。

国内外の大手資本もこのクイック修理への参画を急いでいる。主要クイック修理のチェーンの概要を以下の通り纏めてみた。

・中汽快修
<現状> 既に全国に 200 店(うち北京の 60 店)を展開。
<今後> 5年以内に、32 億元を投じ、全国 10,000 店舗展開を計画中。

・安吉
<現状> 上海で事業展開開始。
<今後> 上海に 100 店、全国 1000 店を計画中。

・Bosch
<現状> 広東で 11 店舗を買収し、事業展開を開始。
<今後> 5年間で 1,000 店舗展開を計画中。

・AC Delco
<現状> すでに主要都市にテスト店舗を展開開始。
<今後> 3年以内に華東地域に 200 店舗展開を計画中。

・衆義達
<現状> 北京で 4 店舗を展開。
<今後> 2年以内に、北京で 40 店舗、全国で 200 店舗展開を計画中。

・中美汽車
<現状> 北京で 30 店舗を展開。
<今後> 5年以内に、全国で 3,000 店舗展開を計画中。

緩やかになったとはいえ、毎年増加する保有台数を見越し、中国自動車市場の国際化が着実に進んでいる。

<張 浩群>