AYAの徒然草(74)  『よく口にしている言葉が意味すること』

仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。

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第 74 回 『よく口にしている言葉が意味すること』

母と週末にこんな会話をしました。
母 「今日、お天気も良いし一緒に銀座にお買い物に行かない?」
私 「なんで?なにを買いに行くの?」
母 「え?特にこれを買いに行くというものはないけど・・・。ぶらぶらとウィンドウショッピングでもして、お夕飯に美味しいものでも食べて帰ってこない?」
私 「うん、いいね。行こうか!」

この会話の後、一緒にお買い物に行って楽しく過ごしたのですが、でも、買い物中に母から「最近、話をするとき、なんだか感じが悪いわよ」と言われてしまったんです。以前は、こういう類の誘い文句に対して、二つ返事で「いいね~。行こう行こう!」と言っていたというのです。
ほかにも、私は最近、このような感じの悪い会話を促してしまったみたいなんです。

母 「今日は一緒にケーキでも焼かない?」
私 「どうして?今日、誰か家に遊びに来るんだっけ?」
母 「・・・誰も来ないわよ。ただ単に、ケーキを焼きたい気分になっただけだけど・・・。」

どうやら、私が「感じが悪い」のは、私の最近の「口癖」に原因があるみたいなんです。みなさんは、さきほどの会話から私の口癖に気づきましたでしょうか?

私は、なんでも、真っ先に「目的」を聞きたがるようなのです。「なんで?」とか「どうして?」と。そう言われてみると、確かに母との会話の中だけでなく、ほかの人と話すときも、「なんで?」「どうして?」と「目的」をいつもすぐに聞いていたような気がします。
しかし、なにかに誘われたり、なにかを提案されたら、誰だって口に出さなくても頭の中で「なんで?」と「目的」を考えるプロセスを踏んでいると思うんです。それを口に出して聞いてしまうことですぐに正しい目的がわかり気持ちが晴れるかもしれないけど、相手にとっては攻撃を受けているように感じるというか、少し威圧的な印象を受けるみたいなんです。(もちろん、言い方にもよりますが。)
また、すぐに「なんで?」と目的を聞いてしまうことは、「余裕がないように見える」とも言われました。そうですよね。だって、目的を想像したり考えたりするプロセスを一切省いて回答をすぐに求めようとする行為ですから、余裕なく見えるのも当然です。
そして、その「余裕のなさ」の原因が私の今の「生活」にあるのかもしれないと思い、ちょっと自分の生活を振り返ってみたんです。確かに、「時間」に関しては、余裕がありません。毎日、寝る前に一日を振り返ると、「あー、今日もこの本を読む時間が無かった・・・」と思ったり、また仕事でも、「今日これをやろうと思っていたのにできなかったな・・・。明日に廻そう。」と思ったりすることがよくあるからです。私の場合、そういうちょっとした日常生活の余裕のなさが、会話の中に口癖として出てしまっているようです。

言葉とは、心の鏡のようなもので、意識していなくても自分の内面を外に映し出しているものなんですね。だから、ネガティブな言葉よりもポジティブな言葉が口癖になっている人の方が、幸運が幸運を呼び寄せているような気がします。私もそういう言葉が口癖になるように、日頃からストレスを溜めないようにしないといけないなぁと思いました。

また、「口癖」って、自分では意外と気づかないものです。私も母に言われて初めて「え?そんなにその言葉を言っているかなぁ?」と思ったほどです。それに、自分の何気ない言葉が相手に不快感を与えていることもわかり、少し反省しているところです。
だから、周りの人に、自分にはどんな口癖があるのかを聞いてみると新たな気づきがあるかもしれませんね。それが後ろ向きな言葉だったら前向きな言葉に変えるように心掛ければ、生活にも良い変化をもたらすかもしれません。つくづく、「言葉」って、人の感情や思想を伝える手段だけではなく、いろんな力があることを実感しました。さて、みなさんの口癖はどんな言葉でしょうか?

<佐藤 彩子>