中国ビジネスの達人(15)『部下の管理、掌握はどうしたら良…

今や自動車業界にとって避けて通れないテーマの一つである中国進出。
住商アビーム自動車総研のアドバイザーであり、過去 15年の中国駐在・ビジネス経験を経て現在も浙江省杭州にある日産ディーゼルの製造会社に出向中の三木辰也が、中国進出に携わる方々に対して中国ビジネスのヒントを伝授するコーナーです。

第15回 『部下の管理、掌握はどうしたら良いの?』
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部下の管理、掌握は管理職や経営者に要求される重要なSKILLです。

日本でも、日本人の部下を管理、掌握するのは簡単ではありません。海外で現地の人を管理、掌握するのは更に難易度は上がります。

文化、マナー、習慣、思想が中国と日本ではやはり異なるところが多く、中国人の部下に対し「・・・だろう」とか、「・・・べき」と明確な指示なしに思い込みで仕事を進めさせたために思わぬ落とし穴に落ち込むというケースが散見されます。

部下は明確な指示がなかったから指示されたことしかしない、日本人上司はあそこまで言えば当然やるであろうととの感覚のGAPが問題を発生させ、結果、業務に支障が出るというものです。 これではお互いに不信感を持ち、信頼関係も築けず、良い仕事はできません。

これを避けるポイントとしては十分なコミュニケーションを行うことでしょう。

中国語が出来ない場合は、英語か日本語で中国人部下とコミュニケーションしなければならないことが多く、特に英語の場合、お互いに外国語でのコミュニケーションになることから相当に気をつけなければ、端的な指示に終始し、気持ちの通ったコミュニケーションにならない恐れがあります。
部下が英語、日本語を話さない場合は、通訳を介さなければならず、自身の真意が伝わりにくく、なお更事務的になる可能性があることから、この点は注意し、日頃からコミュニケーションを心掛け、お互いの信頼感を培っておく必要があります。
部下との信頼関係は中国語が堪能であったとしても、必要です。

部下の管理、掌握の基本は洋の東西を問わず、コミュニケーションですが、中国人の部下の場合は特に相手を尊重しつつ、日頃から意識的に心掛けることが必要でしょう。

<三木 辰也>