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コラム

中国ビジネスの達人(10)『開発区ならインフラ、ユーティリ…

今や自動車業界にとって避けて通れないテーマの一つである中国進出。住商アビーム自動車総研のアドバイザーであり、過去 15年の中国駐在・ビジネス経験を経て現在も浙江省杭州にある日産ディーゼルの製造会社に出向中の三木辰也が、中国進出に携わる方々に対して中国ビジネスのヒントを伝授するコーナーです。

第10回 『 開発区ならインフラ、ユーティリティーは本当に何の心配もないの?』
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中国進出を考えるにあたって、場所の選定は非常に重要な要素の一つです。

勿論、どの地域にするかという点において、基本的に他の諸外国と同様で、国内販売のための拠点ならば消費地、客先に近い地域、輸出拠点なら沿岸地域か、原材料を調達しやすい地域というのがポイントになります。

ここまで検討すると、地域や場所のイメージは固まってくるはずですが、最終的にどこに落ち着くのが良いかと言う点に関しては十分に検討する必要があります。

海外の企業が進出する場合、主な選択肢として、(1) 保税区、(2) 開発区、(3)工業区、(4) 合弁パートナー(中国側)の土地があげられますが、それぞれにメリット、デメリットがあります。

主なポイントを整理すると、

メリット デメリット
(1)保税区 関税、増値税が掛からず輸出可 種々コストが割高
(2)開発区 一般的にインフラが良い 土地使用権が高め
(3)工業区 種々コストが比較的安い サービスは未知数※
(4)パートナー 種々コストが安い インフラ・サービス未知数

※日系や海外のデベロッパーが開発した工業区はサービスは良いことが多いです。

日系企業の場合、上記の中では (2) と (3) が比較的多いようです。そこで、上記 (2) と (3) に焦点を絞って、以下それぞれの特徴を挙げてみます。

(2)開発区
開発区は国家級、省級、市級、鎮級等に分けられ、一般的にインフラ、優遇税制、規模で国家級が最も整備され、省級、市級、鎮級の順に整備状況が見劣りすることが多いです。ただし、コストではその逆で国家級が高め、省、市、鎮と安くなるケースが多いようです。また、心配なサービスや面倒見と言う点では一概には言えませんが、省や市レベルの開発区が小回りと政府との力関係のバランスで比較的良いようです。

(3)工業区
工業区には、主に政府、中国国営企業、海外のデベロッパーとの合弁または合作形態での開発があります。一般的に、政府による工業区は規模は比較的大きく、インフラも整っている場合が多いです。中国国営企業により開発された工業区は規模、インフラ、サービスの点で未知数の場合が少なくありません。海外のデベロッパーの開発した工業区はサービスの点では顧客の立場で対応してくれると言う点では安心できるようです。

何れにせよ、それぞれメリット、デメリットがあるので、自社の規模とニーズに合わせた場所の選定が肝要となります。

しかしながら、実際に現地へ行ってみると、地域固有の事情もあったりするので、詳細は複雑ですし、日本で検討しているだけではわからなかったようなことも少なくなく、政策上、十分に検討する時間的な余裕がないケースにおいては、見落とすことも少なくありません。
特に、従業員用のインフラであるアパートがない、食事の供給が未整備、日本人派遣員にとっての住環境が未整備、日本食が調達できない等、生活面については、進出後に問題が露呈してくることもよく聞かれます。

以上から、候補先を幾つか絞った段階で、実際に候補先を視察することは勿論、既に進出している日系企業等へのインタビューや、合弁なら現地パートナー、独資なら現地に精通しているコンサルティング会社・調査会社の情報ネットワークを有効活用しながら、慎重に判断していくことが良いでしょう

<三木 辰也>

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