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コラム

業界人が読みたい1冊『今すぐ転機に備える95の方法』

第2回 『今すぐ転機に備える95の方法』
(著者:森山進、発行元:成美堂出版)
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誰でも一生に何度かはチャンスが巡ってくる。
そのときにチャンスを正確に見極め、ぐいっと引き寄せ、掴んだら放さない。
そういう力を日ごろから蓄えておけるか。それが成功と失敗を分かつ。自助努力と自己責任。
転機を掴むには、この2つのキーワードを自分のモノにすることだ。
このはしがきで始まる本書の著者は、プライスウォーターハウスクーパースのディレクターコンサルタント職にある森山進氏である。
本書では、著者自身がアングロ・サクソンに揉まれながら体得した術と絡めて、「転機に備える」とはチャンスが訪れるのをひたすら待つことではなく、「積極的に転機を取りにいくこと」すなわち「転機の狩人」になることだと、説いている。

「狩人」には昔から「狩人の知恵」があるそうだ。「差別化」、「熱意」、「笑顔」の3つである。

彼らのような狩猟民族にとって目標量を確保し損なうことは、一族の死を意味したであろう。そのために綿密な計画を立て、確実に必要な量 を獲得した。自己責任と自助努力の世界であったのだ。

「差別化」とは、個人の強みを磨き、鋭く尖らせることである。狩猟の一連のプロセスにおいて最大効果を発揮するために重要な要素であったためであろう。日本人のような農耕民族は、どちらかというと目標に向かって細かな準備を徹底することは得意としていない。農業は天候に左右されるため、たとえ綿密な計画を立てても天候が悪化すればどうすることもできないことを経験則として学んでしまっているからだ。

「熱意」とは、外敵から身を守り、一定量の獲物を獲得し続けるために住居、衣類、道具など常に適者生存のために創意工夫を重ねてきた。

この源泉が熱意である。
ここまではなんとなく理解できると思うが、「なぜ狩人に笑顔が必要なのか」と疑問に思う方も多いであろう。
著者はこの点について、「そもそも狩猟民族の間では、知らぬもの同士が出会うと、攻撃の意思がない旨を伝えるために笑う必要があった。握手という習慣も同様の発想から生まれた」といっている。

確かに、欧米では軽くぶつかったぐらいでは「微笑んで」誤ったほうがいいと考えられている。

民主党の大統領候補であったジョン・F・ケネディは、共和党のニクソン氏との大統領選に臨むに際してマスメディア特にテレビ演説で常に笑顔を絶やさず国民に語りかけ下馬評を覆し勝利を収めたことは、いまでも語り草となっている。

このように欧米では、プレゼンテーションの時にはスピーチを笑顔で行うことで成功を収めることが実証されている。何よりおねだり上手な幼児の笑顔は完璧である。いずれも票やおもちゃなど何かを得ようとするときの笑顔が武器になることを知っている人達なのである。

「狩人には笑顔が必要だ」という一見不思議な組み合わせが実は合理的なチョイスなのである。
読者の方々は管理職も多く、部下の士気を高め生産性をあげるために指示・命令をする場面も多々あろうかと思う。
また、販売現場でお客様を相手にモノを売らなければならないという立場の人も多いはずだ。
いずれにしても「狩人」である。そのときに「差別化」と「熱意」だけでなく、日本人が一番苦手としている「笑顔」の有効性を思い出してみてはどうだろうか。

私自身、講演の壇上に立つとき心がけており、かなり有効であることを実感している。
いま一度成功を導く「狩人の知恵」をまとめると次の3つになる。
お役に立つことがあれば幸いである。
1.自分と他人を差別化しなさい
2.熱意を持ちなさい
3.笑顔を絶やさずに

<寺澤 寧史>

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