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コラム

トヨタ、韓国・ソウル大学国際大学院の特別講座開設支援で…

◆トヨタ、韓国・ソウル大学国際大学院の特別講座開設支援で約 5000 万円を拠出 公開講座は年 4 回で、張富士夫社長も講義を行う予定。期間は 3年間

<2004年7月2日号掲載記事>
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トヨタ自動車は、2004年 9月より 3年間にわたり、ソウル大学大学院の特別講座開設支援のため、運営費 5,000 万円を拠出することを決めた。

当該特別講座「Asia and the World」は韓国と日本を中心に世界の中のアジアを研究し、学術・知的交流を通じて相互理解の幅を広めることが目的で、学生向けの講座と一般公開講座の 2 講座が開設される。

トヨタが日韓を中心とした相互理解の幅を広げることを目的とした特別講座への支援を行う理由はどこにあるだろうか? 筆者はその理由を、「車の販売とは、単なる機械としての車そのものの販売するのではなく、日本という国やその国の持つイメージや文化も併せて販売しているから」であり、「トヨタがそれを十二分に認識しているから」であると考える。

事実、トヨタ自動車の企業哲学は、「社会貢献活動により、よき企業市民として地域社会とともに発展していく」というものであり、単なる「機械の販売」ではなく「文化」や「社会」といった上位概念を包括した形となっている。

現在、韓国の自動車産業は、生産台数 294 万台、国内自動車販売台数 184 万台の自動車大国の一つになっているものの、輸入車市場は規模が小さく、市場全体の約 1.1 %,年間販売台数約 2 万台のみに留まっている。

トヨタはこの輸入車市場の中ではそれなりのポジショニングを維持しているものの(トヨタは韓国市場に北米、欧州で成功を収めたレクサスブランドを投入し、’03年下半期で 4 ヶ月月販 1 位を記録するなど、これまでの韓国輸入車市場シェアトップのBMWとトップの座を争うまでに競争力をつけている)既存の市場の枠を突出するものにはなっていない。

当社がインターネット調査会社のインフォプラント社と共同で行った自動車ユーザー調査によれば、「日本車メーカー全体」に対する韓国ユーザーの意識としては、韓国車メーカーはもとより欧米自動車メーカー、とりわけメルセデスベンツ、BMW、VWなどのドイツ車メーカーとの比較においても、「性能」「ブランド」「サービス」「将来性」「社会貢献」のいずれの項目でも上記 3メーカーの後塵を拝しており、総合評価は極めて低い結果となっている。

特に、日本における自動車ユーザーの 6 割が日本車メーカーの社会貢献を評価しているのに対し、韓国ではトヨタ自動車の 8 %が最高で、その他の日本車メーカーは 6~ 7 %しか評価していない結果となっている。

これら調査内容からも分かるように、トヨタを含む日本車市場全体の底上げの為には、前述の通り、単なる車そのものの販売を伸ばす為の商品政策、価格政策、プロモーション政策、流通チャネル政策といったマーケティング諸活動に留まらず、「日本」という国に対する韓国市民のイメージ、文化の認知といった基本的な理解を高める必要がある。

トヨタはこういった観点から、本日取り上げている特別講座支援以外にも、2001年より韓国内で日本研究を行っている人文科学系大学研究員 (年間 8 名・含、博士課程修了者)を対象に研究費の助成を行っており、また同様にアメリカ、中国など世界各地の大学においても各種講座開設支援を行っているのである。

<寺澤 寧史>

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