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プレスリリース

アビーム コンサルティングと住商アビーム自動車総研、中国における自動車メーカーの部品調達の現状と将来動向を調査。5年後は「中国系部品メーカーへ切り替え」

アビーム コンサルティング株式会社(以下:アビーム コンサルティング、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西岡 一正)と株式会社住商アビーム自動車総合研究所(以下住商アビーム、本社:東京都中央区、代表取締役社長:加藤 真一)は、中国市場における主要自動車メーカーの部品調達の現状と将来動向について調査を行い、本日、調査結果を発表しました。

中国で乗用車を製造している主要自動車メーカーの購買担当者に対して、現在の部品調達の現状と今後の選定についてアンケート調査およびインタビューを実施し、30社(日系自動車メーカー9社・外資系自動車メーカー11社・中国系自動車メーカー10社)から有効回答を得ました。

その結果、中国に進出している自動車メーカーは、今後、部品の調達を中国系部品メーカーに切り替えていく考えを持っていることが明らかになりました。

※【回答企業プロファイル】日系自動車メーカー:日本と中国の自動車メーカーによる合併、もしくは日本の自動車メ-カーより技術提供を受けて日本車を生産。外資系自動車メーカー:日系以外の外資と中国の自動車メーカーによる合併、もしくは技術提供を受けて海外自動車を生産。中国系自動車メーカー:国営・民営を含む中国独資。 売上高(日系) 1-10億元:22%、11-50億元:44%、51-100億元:0%、101億元以上:11%、未回答:22% 売上高(外資系) 1-10億元:27%、11-50億元:18%、51-100億元:18%、101億元以上:27%、未回答:9% 売上高(中国系) 1-10億元:30%、11-50億元:20%、51-100億元:20%、101億元以上:0%、未回答:30% 【調査期間】2004年11月~2004年12月

1.日系自動車メーカーの44%が、外部購入比率91%以上

自動車メーカーの国籍ごとに部品調達の状況を調査した結果、日系自動車メーカーの半数近くの9社中4社(44%)の外部購入比率が91%以上であり、また過半数の9社中6社(67%)で、輸入部品の比率が30%以下であることが分かりました。但し、部品メーカーが原材料や部品を日本から輸入して、それを納品しているケースもあると考えられるので、実態としての輸入依存度はそれほど低くないと思われます。外資系では、外部購入比率が70%以下、輸入比率が51%以上であると回答した企業はそれぞれ11社中3社(27%)あり、内製率の高さとともに輸入部品に頼っている状況が判明しました。

【図1:外部購入比率】

* 外部購入比率:自社以外から購入した部品の比率。 輸入比率:中国国外から輸入した部品の比率。

2.すでに「内装部品」「車体・外装部品」「用品・その他」は中国系部品メーカーから調達

日系部品メーカーは、「エンジン部品」「電子・電装部品」が有力
自動車メーカーと部品メーカーを日系・外資系・中国系に分類し、各取引状況を調査した結果、「内装部品」「車体・外装部品」「用品・その他」に関しては、全系列(日系・外資系・中国系)の自動車メーカーで中国系部品メーカーからの調達割合が高いことが分かりました。特に「用品・その他」は、全系列の自動車メーカーのほぼ100%が、中国系部品メーカーから調達しています。日系自動車メーカーは、「エンジン部品」「電子・電装部品」については日系部品メーカーから調達している割合が高いものの、それ以外はすべて中国系部品メーカーから調達している割合の方が高くなっています。

【図2:日系自動車メーカーにおける現在の購入比率】


 

3.日系自動車メーカーは「製造拠点の立地・地域」、「自社との資本関係」を重視

自動車メーカーが部品メーカーを選定する際に重要視する項目を調査した結果、全系列とも「技術・開発力」と「品質管理基準資格」を重視していました。日系自動車メーカーについて見ると、「製造拠点の立地・地域」「自社との資本関係」に関して外資系・中国系よりも重視していることが分かりました。外資系よりも遅れて中国に進出したため、日本から信頼のおける系列サプライヤーを連れていき、中国での生産体制を急いで構築しようとしたことが理由の一つと考えられます。

【図3:部品メーカーを選定する上で重要視すること】

4.自動車メーカーは中国における部品調達を、5年後には中国系部品メーカーに切り替え

部品メーカー選定時の重要視項目について部品分野別に調べたところ、モジュール化や技術革新が進む部品分野と、原価削減や中国固有の設計が求められる部品分野とに二極化していることが分かりました。前者は、エンジン部品、電子・電装部品、駆動・伝動・操縦部品、懸架・制動部品(以下グループ1)であり、後者は、用品等、内装部品、車体・外装部品(以下グループ2)となりました。

図4の通り、日系自動車メーカーは、5年後にはグループ1、2とも、中国系部品メーカーからの調達割合を拡大させると回答しています。外資系・中国系も含め全系列の自動車メーカーが、すべての部品分野において中国系部品メーカーへの切り替えを進める方針を持っていることが明らかになりました。現地部品メーカーの育成に積極的に取り組み、そこからの購入比率を増やそうとしている日系自動車メーカーの方針は、部品メーカーにとっては厳しい状況を生み出しています。

【図4:日系自動車メーカーによる5年後の購入傾向】

 
 
 

 

 
 

 

5.日系部品メーカーの成功は、高付加価値化と技術力、マーケティング力が鍵

高付加価値化と技術力が鍵となるグループ1
(エンジン部品、電子・電装部品、駆動・伝動・操縦部品、懸架・制動部品)

グループ1については、日系自動車メーカーの53%が「モジュール化(複数の部品を組み合わせて一つの製品として供給すること)」を望んでおり、部品メーカーに対して開発や供給に関する要求が厳しくなると考えられます。単体での部品調達についても、技術革新が進む傾向にあり、更なる開発力を要求されることが予見され、本来自動車メーカーが持っていた企画・営業・調達の役割を部品メーカーにシフトしていく流れとみられます。よって、このグループは高付加価値化と技術力、サプライヤー管理能力で差別化を図っていくべきです。

中国市場のニーズを捉えるマーケティング力が鍵となるグループ2
(用品等、内装部品、車体・外装部品)

グループ2については、日系自動車メーカーの70%が「調達原価削減」を望んでおり、部品メーカーがコスト削減要求に応えるためには、原材料の中国国内調達率の引き上げは必須となります。また、中国固有の設計が強く求められる製品群であるため、このグループでは中国市場のニーズを的確に捉えるマーケティング力が鍵となります。中国においてディーラー網もまだ少なく顧客情報・ニーズの収集が不十分である自動車メーカーでは、ローカルニーズを熟知した下位サプライヤーの選別・管理能力への期待が高いため、この点で差別化を図っていくべきです。

日系部品メーカーは、一車種あたりの生産量が少なく、スケールメリットを生かした供給体制の構築が難しい中国市場では、主たる供給先である自動車メーカーの受注を確実に取り組むことは不可欠です。また特定の供給先への依存度を低下させるため、外資系・中国系自動車メーカーをもターゲットにした新たな供給先の開拓や、日本・欧米への輸出も視野に入れた中国事業の戦略が重要となります。

当調査を担当したアビームリサーチの土方三千代は、次のようにコメントしています。

「中国自動車市場の『作れば売れる時代』は終わろうとしています。シェア獲得のため各自動車メーカーが、新車種の投入とラインアップの拡充に注力する方針が伺えます。自動車市場が急成長している中国においてビジネス拡大を狙う部品メーカーにとって、主要な取引先である日系自動車メーカーはもとより外資系・中国系自動車メーカーも中国系部品メーカーへの調達の切り替えがはっきり表れた今回の調査結果は、コストや品質、技術力だけでは競争優位を維持できないことを示しています。自社の部品の特性や投資リスクなどの状況に照らして、中国だけでなく、日本・アジアの事業戦略を明確にする必要があります。」

 

アビーム コンサルティングについて

アビーム コンサルティングは、アジアを中心とした海外ネットワークを通じ、それぞれの国や地域に即したグローバル・サービスを提供している総合マネジメントコンサルティングファームです。戦略、BPR、IT、組織・人事、アウトソーシングなどの専門知識と、豊富な経験を持つ約2000名のコンサルタントを有し、金融、製造、流通、エネルギー、情報通信、公共などの分野を担う企業、組織に対し幅広いコンサルティングサービスを提供しています。年間連結売上高は332億円(2004年5月期、米国会計基準準拠)。

 
 
 

 

 
 

 

住商アビーム自動車総合研究所について

住商アビーム自動車総合研究所は、住友商事とアビーム コンサルティングが共同で設立した自動車業界特化型コンサルティングファームです。500 社以上の自動車部品メーカーとのビジネスネットワーク、自前の自動車ディーラー 90 店舗の経営を始めとする自動車業界で展開している幅広いビジネスモデルにおいて住商が培った自動車業界の知見に、アビームのコンサルティングノウハウを加えて、「経営と現場」、「業界と市場」の双方を結ぶ視点から、業界各社の自動車固有の課題にソリューションを提供しています。


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