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コラム

マツダ、2004年4月1日付の組織改革と人事異動を発表…

◆マツダ、2004年4月1日付の組織改革と人事異動を発表
<2004年04月01日号掲載記事>
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プレスリリース等でしばしば目にする自動車メーカーの組織改編と人事異動のニュース。今回のケースには株主のフォードから派遣されている外国人幹部の人事異動のニュースが含まれている。
マツダが2004年4月1日付で組織改革と人事異動を発表したニュースが先週のニュース&コラムで取り上げられていたが、今回のケースには株主のフォードから派遣されている外国人幹部の人事異動のニュースが含まれている。
「組織は戦略に従う」といったのは経営学者のチャンドラーであるが、それは組織のデザインや人員配置はそのときのその企業の戦略を反映しているということを意味している。
そこで今回はマツダと、同様に外資系自動車メーカーの出資を受けている日産と三菱自動車とを比較し、外国人幹部が組織内のどういったポジションを任せられているかを見てみることとする。それにより外資系自動車メーカーと日系自動車メーカーがどのように協力し、お互いの強みを持ちよろうとしているかをおぼろげながら理解することができるのではないかと思うからである。
ちなみにマツダはフォードより33.39%の出資、日産はルノーより44.3%の出資、三菱はダイムラークライスラーより33.7%の出資を現在受けている。いずれも33%超ということで株主総会における否決権を有されている状況である。
今回は主に執行役員以上に焦点を当てて、各社における外国人幹部の起用されているポジションを列挙した。各社の最新のファクトブックに、プレスリリースの結果を一つ一つ付け加えて作成したものなので、多少事実と異なる部分もあるかもしれないがその点はご容赦していただきたい。

●マツダのケース
副社長執行役員としてJohn G. Parker氏が社長補佐、研究開発・購買・マーケティング・ITソリューション統括、品質を担当。
専務執行役員兼CFO(最高財務責任者)としてGideon Wolthers氏が企画商品収益管理、関係会社を担当。
専務執行役員としてStephen T. Odell氏がマーケティング・販売・カスタマーサービスを担当。
常務執行役員としてM. Greg Gollaher氏がコーポレートストラテジーを担当。
常務執行役員としてJoseph Bakaj氏が研究開発を担当。
執行役員としてTerry L. Moore氏がカスタマーサービス本部を担当。
その他、マツダモーターヨーロッパGmbHの社長、副社長及びマツダモーターオブアメリカ, Incの社長が執行役員として名を連ねている。

●日産のケース
最高経営者としてCarlos Ghosn氏が北米事業、商品企画、コーポレート品質保証&お客様サービス、人事、財務、グローバル広報・IRを担当。
執行副社長としてPatrick Pelata氏が企画、デザイン、欧州事業、LCV事業を担当。
常務執行役員としてBernard Rey氏がCEOオフィス、グローバル インターナルオーディット、アライアンスコーディネーションオフィス、セキュリティオフィス、法務室、組織・プロセス開発部、グローバルモータースポーツを担当。
常務執行役員としてAlain-Pierre Raynaud氏がグローバルコントローラー、経理、商品利益管理、グローバル情報システムを担当。

●三菱自動車のケース
最高経営責任者としてロルフ・エクロート氏が海外販売統括を兼任。
取締役執行副社長としてウルリッヒ・ヴァルキャ氏が商品事業統括。
常務執行役員としてヨアヒム・クアーズ氏がコントロール部門担当。
常務執行役員としてクリスチャン・カーン・フォン・ゼーレン氏が
経営戦略本部を担当。
常務執行役員としてオリビエ・ブーレイ氏がデザイン本部を担当。
常務執行役員としてカイ・ウヴェ・ザイデンフス氏が商品企画・プログラム推進本部を担当。
常務執行役員としてステファン・ブッフナー氏がグローバル購買・物流本部を担当。
執行役員としてヨッヘン・レベヴィー氏がコミュニケーション本部長兼社内・ネットコミュニケーション部を担当。
執行役員としてアレクシー・ベイリン氏が情報化推進担当役員(CIO)グローバルIT本部を担当。
執行役員としてコリン・スミス氏が商品企画・プログラム推進本部コーポレートマーケティング並びにモータースポーツ担当兼マーケティング・モニター部を担当。
執行役員としてハンス・ユルゲン・シュトルク氏が開発本部の統括部長。

3社に共通している点としては、外国人幹部を戦略、企画領域、商品企画を含むマーケティング領域、情報システム領域、またコントロールとも言われる業績管理領域に配置していることである。
逆にメーカーの本分とも言える生産の領域に関しては3社とも日本人幹部に任せる形となっている。
これは日系自動車メーカーのオペレーションの優位性は評価しつつ、マーケットを向いた戦略、マーケティングに関しては外資系自動車メーカーが自分達の強みを生かそうとする姿勢の表れだろう。
また、日々進歩し、戦略的な活用が求められる情報システム領域も外国人幹部が担当している。
業績管理に関しても、一般的に日本企業よりも外資系企業のほうが重視する傾向にあり、それは日産のCarlos Ghosn氏が用いて話題となったコミットメントという言葉からも理解できるだろう。
逆に相違点としては、日産、三菱が最高経営責任者を外国人が担当しているのに対し、マツダは日本人が担当していることが真っ先に挙げられる。
これはマツダがフォードより出資を受けたのは1996年と、他2社に比べて少し早く、その分両社の協調、融合が早く進んだこと、また前社長のルイスブース氏が急遽、フォードの欧州部門の建て直しを任されフォードヨーロッパの社長に就任したという事情もあるかと思われる。
また他に相違点として、日産が他の2社と比較して異なっている点がいくつか見受けられる。
まず、購買企画の領域を日本人幹部に任せていることだ。購買企画の領域は日系自動車メーカーに出資した外資系自動車メーカーが総じて、改革のメスを入れた部分で、系列取引の排除や集中購買の実施によるコスト削減を断行した。
日産もNRPにおいて大々的に行っていただけにその領域が外国人幹部の管轄でないことは意外であるが、実は以前はやはり外国人幹部が管轄していたという事実がある。最近の人事異動により管轄が変わったのである。これは日産がコストカットのステージから次のステージに移行していることが組織にも反映されていると言えるだろう。
またもう一つ印象深いのがトップであるCarlos Ghosn氏の直轄エリアが多岐に渡っており且つそれが明確に打ち出されていること、その中に通 常、外国人幹部では担当しにくい人事といったエリアも含まれていることだ。
これは日産、ルノー間の融合、協調が順調に進んでいることの表れではないかと思われる。
実際、本日号の弊社 長谷川のコメントにもあるように日産、ルノー両社は提携5周年を契機に「アライアンス・ビジョン-目指すべき姿」として、
1.今後のビジョン、2.行動指針、3.具体的な目標を掲げたりもしている。
そして、その融合、協調が他の2社に比べて短期間且つハイスピードで進んだことは、トップであるCarlos Ghosn氏の直轄エリアが多岐に渡り、それを明確に打ち出していること、つまり、Carlos Ghosn氏自身がもう一つの意味でのコミットメント(=積極的関与)の姿勢を打ち出していることと無関係ではないように思えてならない。

<秋山 喬>

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