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コラム

日産、従来計画よりも2車種多い新型8車種を投入し、国内販…

◆日産、従来計画よりも2車種多い新型8車種を投入し、国内販売テコ入れへ
「サニー」など3車種は名称を廃止する方向で検討中。

<2004年04月21日号掲載記事>
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日産自動車は新車投入を加速し国内販売をテコ入れする。今年度から来年度上期にかけて、SUV(多目的スポーツ車)などで従来計画より2車種多い計8車種を新たに発売する。「サニー」など3車種は名称を廃止する方向で検討をしているとのこと。

今年度は2002年度からの3カ年計画である日産180の最終年度に当たる。日産180に掲げられている(1)自動車販売台数を世界で100万台増加、(2)営業利益率を8%以上に上昇、(3)自動車事業での実質有利子負債をいったんゼロとする、のうち(2)と(3)の目標は既に達成し、(1)の販売拡大計画が達成できるかどうかが注目を集めている。

今回の新型車投入計画も国内販売台数増加を狙ってのものであるし、4月からの組織改正で北米事業をゴーン氏の直轄としたのも、他の市場が苦戦する中、販売台数増が見込める北米市場を直接陣頭指揮するためと思われる。

需要を喚起するには、新モデルの投入が最も効果的であるが、サニー等の名称を廃止し新たな名称にするのも新モデルということを消費者にアピールする狙いがあると思われる。

長年親しんでいるモデル名が消えるのは寂しいという声も当然あると思うが、サニーという名称がついている限り、サニーのバージョンアップというイメージから脱却することはできず、消費者に対し、新モデルということをアピールするには別のモデル名のほうが良いとの判断ではなかろうか。

ところで日本車では自然なことだが、各モデルにはそれぞれモデル名がついておりそれは一種のブランドである。サニーしかり、クラウンしかり。

他方、ベンツ、BMW等のヨーロッパの高級車メーカーは、メーカー名に英数字をつけた名前を付けており、わが国で販売されているベンツは、300万円以下のAクラスから、1300万円以上するクルマまである。しかし、それでもベンツブランドは、いつも同じベンツブランドである。

そして、こういったブランドには必ずブランドイメージがつきまとう。ベンツであればすぐに高級というイメージが浮かぶだろう。そのイメージを傷つけないようコンパクトカーにはスマートという別ブランドが用意された。また、ブランドが付いている以上、
そのブランドにふさわしい売り方をするのもマーケティング戦略上重要なことである。

その意味で、ブランドは販売チャネルとも大いに関係がある。販売チャネルとはいわばどういうルートで売るかということであり、ベンツならベンツらしい売り方を、サニーであればサニーらしい売り方をする必要がある。

翻って、日本の販売チャネルを見てみると、これまで販売チャネルとブランド(モデル)との間に整合性の取れた関係が構築されていたとは言いがたい。もともと日本の自動車販売チャネルはブランドとして独立した存在ではなく、同じ市場を深耕する目的で販売チャネルが設立されている。

チャネルごとの投入モデル数や系列ディーラーとの関係といった事情もあるのだろうが、消費者の立場からするとなぜこのモデルがこのチャネルで、ということも少なくないし、そもそもチャネル併売というケースも多く見受けられる。

しかし、最近のトヨタの販売チャネル政策を見ると、高級車を包括するブランドであるレクサス車を扱うレクサスチャネルの展開や、ビスタ店とネッツ店の統合により生まれる新ネッツ店ではチャネル名からトヨタという言葉を取り除き、若者をターゲットにしたモデル(ブランド)を扱うなど、これまでよりもブランドを意識したものになっているように思われる。

日産は1999年のいわば緊縮財政時にそれまでの4チャネルからレッドステージ、ブルーステージの2チャネルに再編したわけであるが、これから成長拡大ステージに入り、モデル(ブランド)数も増加することが見込まれる。そういった中で日産がどのような販売チャネル政策を行っていくかも また注目される。

<秋山 喬>

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