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コラム

日産、横浜みなとみらい21に建設する本社ビル、地上33階建…

◆日産、横浜みなとみらい21に建設する本社ビル、地上33階建てに新本社ビルは高さ約150m。地上33階、地下2階。1階から3階は店舗や車のギャラリーが入り、日産の本社オフィスは4階以上となる。土地代を含めた総工費は450億円程度が見込まれている。
<2004年6月24日号掲載記事>
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日産自動車は二十四日、創業の地である横浜市に本社を移転すると発表した。
東京・銀座の本社を二〇一〇年をめどに移転するとのことである。

国内自動車大手の本社所在地を見てみると、現在トヨタ自動車(愛知県豊田市)、マツダ(広島県府中町)以外の日産、ホンダ、三菱自動車は本社が東京にある。

ただ、三菱自が再建の一環で05年にも京都市への移転を決めており、今回の日産の発表で大手5社で本社を東京に置くのはホンダ(港区青山)だけとなる。

日産の発表を整理すると、本社移転地として横浜市を選択したのには大きく3つの理由がある。

1)事業効率の向上
神奈川県にはオペレーションの拠点である追浜工場(横須賀市)や研究開発施設(厚木市)などが集積しており、事業所間の連携が図りやすくなる。

2)行政の優遇措置
横浜市が税制優遇や助成金交付で積極的な企業誘致を進めていた。

3)創業の地への回帰
ゴーン社長曰く「世界戦略で攻勢をかけていくからこそ、ルーツに立ち返ることが大事」。

上記の理由の中で私が注目したいのは 3)創業の地への回帰である。この発表を素直に受け止めれば、本社所在地を変更するだけということになるが、単純にそれだけのことではないように思える。

自動車産業においてはグローバル化が日々、進展しており、販売は勿論のこと、生産、調達、開発といった機能も現地化され、分権化が進んでいる。

意思決定の迅速化、現地ニーズへの対応といった意味で、そういった流れは当然といえるが、五月雨式に現地化が進行することになると、結果として、グローバルとしての統一感を欠き、日本にしても世界に数ある拠点の一つに過ぎなくなるという事態に陥る可能性がある。

マーケット規模や人件費等の観点から考えると米国や中国等と比較して日本はもはや拠点としての重要性を失いつつあるといえるのかもしれない。

そういった状況の中で、創業の地である日本をグローバルの中でどのように位置付けるかというのはグローバル化が進めば進むほど大きな問題となってくる。

マーケットとしての魅力、生産拠点としての魅力が相対的に失われていくとなると、今後、日本は創業の地として、いわば聖地としての役割を果たす必要に迫られるのではないかと思われる。

それは自社のアイデンティティを見つめなおすことに他ならず裏返せば、今後、グローバルに現地化を推進していく際のよりどころを強化するということとなる。

但し、日本が聖地であるためには、そこに聖地ならではの何かが存在しなければならない。
聖地ならではの何かとは、例えば聖地にしか存在しない技術であり、聖地でしか生産されない商品である。もしくは聖地からグローバルへと発信されるその企業のスタンダードな売り方であり、作り方である。それはある意味で、○○ウェイと呼ばれるものであるかもしれない。

今回の日産のケースも単純に日本の中で、本社所在地を変更したことに留まらず、上記のような聖地機能の強化といった意図があるように思える。

<秋山 喬>

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