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コラム

米国のハイブリッド車のオーナー、保守に不満。各社が修理…

◆米国のハイブリッド車のオーナー、保守に不満。各社が修理担当者の増員へ
保守や修理の際に専門販売店に行かねばならないが、店の数が少なく、不便

<2004年7月13日号掲載記事>
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米国では、エンジンと電気駆動モーターを併用し、従来車よりも燃費効率を大幅に高めたハイブリッド自動車が順調に市場規模を拡大している一方で、長期使用のユーザーからは不満の声も聞かれる。交換部品が高く、保守費用が通常車よりも高いからだ。

また、ハイブリッド車は、高電圧バッテリーや、複雑なコンピューター回路などを組み込んでいるため、一般の修理工場では対応できない。それに加えて、各社が異なった機構を採用しており、メーカーごとに修理方法が違う。そのためユーザーは保守や修理の際に専門販売店に行かねばならないが、店の数が少なく、遠方の店に依頼するなど不便な点も多いとのことである。

ハイブリット電気自動車はいずれは、燃料電池自動車に置き換わっていくものと考えられている。燃料電池車とは正確には、燃料電池電気自動車といい、燃料電池は電池というよりは発電機に近いものである。水を電気分解して水素と酸素になる反応を、逆にして発電するものである。ハイブリット電気自動車から燃料電池自動車にいつ置き換わるかが注目されるが、燃料電池車の普及開始は早くても 2010年頃になると言われている。

ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車といったエコカーの普及にはそれをサポートするアフターサービス体制が必須であることはいうまでもないが、このような動力源の進化に加えて、電子制御技術の進展等で昨今、車両構造はどんどん複雑化しており、修理、補修の際に要求される技術レベルも高くなっている。

そこで、上記のような車両構造自体の複雑化が修理、補修ビジネスにどういった影響を与えうるのかを身近な日本国内の例をとって考えてみたい。

日本国内においては、これまでメーカー及びディーラーは新車の販売を第一に考え、収益モデルの多様化をそれほど試みてきておらず、米国のディーラーと比較してみても全売上に占める部品、サービス売上の比率が相対的に低い結果となっている。

そういったマーケットの隙間をついて、修理、補修ビジネスには用品チェーン、整備工場、車検チェーン、ガソリンスタンド等様々なプレイヤーが参入し、力をつけており、競争も激化している。

しかし、ディーラーは今後、新車の劇的な販売台数増加が見込めない中、部品、サービスを含めた周辺分野での収益増が必須であり、収益の多角化を推し進めている状況である。
このような国内修理、補修ビジネスの現状に車両構造の複雑化がどういった影響を及ぼすかだが、既に比較的、小規模な企業が多い整備工場等にはその影響が見られるといえるだろう。

日本における自動車整備工場の総数は一説では 85,000 社とも言われるが、従来的の機械工学の知識を生かした車両修理は可能でも、エレクトロニクス関連の知識を用いた修理には対応できないというところも少なくない。

車両構造の複雑化は部品、サービス収益増を狙うディーラーにとっては追い風であり、メーカーとも十分連携をとり、サービス体制を構築し、機会を逃さないようにするべきであろう。

また、現在修理、補修ビジネスを手がけているそれ以外のプレイヤーにおいては、車両構造の複雑化はいわば脅威ともなりうる事象であり、今後どのように対応していくかを今から考えておく必要があるのではないかと思われる。

<秋山 喬>

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