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コラム

日野といすゞ、バス製造事業を完全統合へ。10/1付でジェイ…

◆日野といすゞ、バス製造事業を完全統合へ。10/1付でジェイ・バスに一本化

<2004年08月30日号掲載記事>
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日野自動車といすゞ自動車は、両社のバス事業統合を推進するための持株会社であるジェイ・バスとジェイ・バス傘下の日野車体工業およびいすゞバス製造のジェイ・バスグループ3社を、2004年10月1日付けで合併し、バス事業の統合を本格的に推進する。
今回のニュースは本メールマガジン「今更聞けない財務用語シリーズ」の前々回で紹介した、経営統合を行なう際の持ち株会社の活用、の自動車業界における実際の事例ということができるだろう。

統合を予定している 2 社がある場合、まずその 2 社の株式を保有させる形で持ち株会社を設立し、その後段階的に業務、制度、企業文化、情報システム等の統合を進めることで、リスクを極小化しつつ経営統合をスムーズに進めることが可能となる。但し、シナジー(相乗効果)もその分段階的に実現していくこととなる。

今回の完全統合のニュースに遡ること約 1年前の 2003年 9月にいすゞ自動車、日野自動車はバス事業の将来的な統合を目指し、その準備会社としてのジェイバスを発足させた。また、同時にいすゞバス製造、日野車体工業それぞれの株式をジェイバスに譲渡し、持ち株会社とした。

そして、これまでジェイバスは約 1年かけて経営統合に付随するシナジーの最大化、及びリスクの極小化を検討してきたわけである。

元々、今回のバス事業の統合は市場の伸びが今後それほど期待できない中で、統合により生産能力を適正化することが狙いであるため、シナジーというと統合によるコスト削減が主なものとなる。

いすゞバス製造、日野車体の 2 社間で機能、製品の重複を排除すると同時に、集約により規模の経済性を高めることでコスト削減を目指すことになる。そして両社が製造会社であるということを考えると開発コスト、及び生産コストの削減がシナジーの中心になってくるものと思われる。

具体的には開発、生産機能を集約し余剰設備削減、人員の最適配置を行うことで研究開発費、減価償却費、人件費を圧縮しつつ、取引規模の増加による材料費、物流費の削減を目指していくこととなる。

いずれにしてもシナジーの具現化は実際の統合が進むこれからの話といえる。
また、シナジーの最大化という観点からは下記のようなことがポイントになるものと思われる。

まず 1 つ目は生産拠点の位置付けの明確化である。前述したように今回のケースはシナジーによる生産コストの削減が重要なテーマとなってくるが、いすゞバス製造の生産拠点が栃木県河内郡にある一方で日野車体の生産拠点は石川県小松市とそれほど近い距離にはない。地域雇用の確保という観点からも生産拠点自体を一箇所に集約していくというのは困難があると思われるため、例えば、大型はこちら、中型はこちらという形で集約し、生産拠点の位置付けを明確にすることで、規模の経済性を確保していく必要がある。

また 2 つ目は、いすゞ自動車、日野自動車という両親会社と協力することが前提となるが、製品共通化によるコスト削減である。先程の生産拠点の位置付けの明確化とも関連するが、現在いすゞバス製造では大中型バスを生産しており、日野車体では大中小バスを生産している。重複している大中バスカテゴリーの製品をどのように共通化していくかということはコスト削減にも大きな影響を及ぼす。

ここで両親会社と協力することが前提としたのは、機能面においてシャシー製造、及び車両販売はそれぞれ両親会社が行なうという棲み分けになっているからである。そのため親会社の製品戦略に大きな影響を受けることとなり、製品共通化によるコスト削減をジェイ ・ バスの一存で推し進めることはできない。両親会社と調整した上で、製品面の共通化においてもシナジーを最大化していく必要があるだろう。

今回の経営統合においては、いすゞバス製造、日野車体はそれぞれに両親会社を含め思惑があると思われるものの、シナジーの最大化を目指す方向で摺りあわせを行なっていく必要がある。

また、経営統合を進める際の方法論としては、スピード感は依然重要であり、むやみに統合を遅らせるというのは関係者、社員のモチベーション的にも良くないが、今回のケースのように持ち株会社制度を活用することで移行過程を 2分割し、メリハリをつけた形で進めるというのも今後有効ではないかと思われる。

<秋山 喬>

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