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コラム

仏ミシュラン、自動車タイヤの常識を変える『Tweel』を北…

◆仏ミシュラン、自動車タイヤの常識を変える『Tweel』を北米ショーに出展

<2005年1月12日号掲載記事>
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9日開幕した北米国際自動車ショーは、日米自動車メーカーが相手の得意分野を攻め合う構図となった。米新車販売シェアで昨年初めて 30 %台に乗せた日本勢は多目的スポーツ車(SUV)や馬力を強調した車を公開。これに対し、米国勢は日本勢に先行された小型車やハイブリッド車で巻き返す姿勢を鮮明にした。

日本勢ではホンダが小型ピックアップトラック「リッジライン」を発表したほか、2006年にも投入する中・小型 SUV のコンセプト車「RD-X」を公開した。また、トヨタはレクサスのコンセプトカーであり、排気量 5000cc 以下で 500馬力以上の超高出力エンジンを搭載した 2 人乗りスポーツカー「LF-A」を出展している。

一方、米ビッグスリーは逆に小型・中型乗用車の出展を行なうとともに日本勢に対して遅れをとっているハイブリッド車分野において、GM がダイムラークライスラーと共同開発するハイブリッド大型 SUV を発表したほか、フォードがハイブリッドシステム搭載の 4 車種を 3年以内に投入すると発表した。

モーターショーでは各自動車メーカーが発表する新モデルに目がいきがちであるが、今回の北米国際自動車ショーではタイヤメーカーのミシュランがタイヤとホイールを一体化させた「Tweel」(トゥイール)という画期的な製品を発表している。

「Tweel」はホイール一体型のタイヤで、自動車ホイールと自転車の車輪をあわせたような外見が特徴的であり、ゴム状のスポークが変形・復元することで、路面の凹凸や衝撃を吸収する為、エアー (空気) が一切不要になる。また、路面にあわせて変形するため、階段なども走行でき、車椅子やキャタピラーを採用する建設機械などにも対応する。

圧縮空気が不要となることで自動車タイヤのパンクを過去のものにでき、タイヤの縦剛性(乗り心地に影響) と横剛性 (ハンドリング性能などに影響) も別々に調整できる為、走行実験では、転がり抵抗を従来のタイヤと同レベルを保ったまま、横剛性が 5 倍となり、コーナリング性能の向上が確認されているとのことである。

「Tweel」はすでに開発の最終段階にあり、近い将来商業ベースにのせることも可能、とミシュランでは発表している。

この製品はタイヤとは中に空気を注入するもので、それゆえにパンクするものという従来の概念を覆すものであるといえる。今後の普及動向次第であるが、現在高級車を中心に搭載されている、タイヤの空気圧をセンサーで測定し、監視する装置も将来的には不要なものとなってしまう可能性が考えられる。

現在、自動車業界では既存の部品、コンポーネントは既存のものとしていかにそれらを制御するかという電子化の動きが顕著であるが、今回のケースのように制御される部品、コンポーネントの構造、仕組みが革新されることにより、制御そのものが必要なくなるといったものも発想を転換すれば出てくるのかもしれない。

そして、この種の革新的、先進的な製品を自社で絶えず開発することができればビジネス面においても優位に立てることは間違いないが、組織として革新的、先進的な製品を開発しつづけることは非常に難しいことである。

いくらスポットで革新的な製品を開発したとしても、それが単発で終わってしまっては、組織としてはやはり一時的なものであり革新的な製品を開発しつづける組織とはいえない。

革新的な製品を継続的に開発しつづけるためには、そのための仕組みを組織として整備することが必要だ。それは例えば定期的にマーケット情報を収集する仕組みであったり、マーケット情報が開発の現場に伝達される仕組みであったり、製品開発に関わる社内の各部署がコラボレーションするための仕組みであったりするだろう。

また、革新的な製品は往々にして革新的な技術に基づいているという観点からすると、(勿論、既存技術の組み合わせにより革新的な製品が生まれることもあるが)製品開発の仕組みは技術開発の仕組みとも整合性を取った形で整備される必要があるだろう。

そして、業種間の壁が崩れつつある現在においては異業種とのコラボレーションが欠かせない。それは自動車業界においても例外ではなく、電気、通信といった異業種との交流の場が製品開発の仕組みの中に組み入れられる必要性があると考える。

<秋山 喬>

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