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コラム

くるま解体新書第8弾『求められる部品メーカー像(3)』

弊社親会社であるアビームコンサルティング(旧デロイトトーマツコンサルティング)が、自動車業界におけるモノづくりから実際のチャネル戦略に至るまで、さまざまな角度から提案していく。

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第 8 弾は、弊社副社長の秋山喬が、求められる部品メーカー像について 5 週に渡って紹介する。今回はその第3回にあたる。

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第8弾『求められる部品メーカー像(3)』

(日刊工業新聞 2005年02月23日掲載記事)

自動車部品業界を取り巻く全般的な傾向についてこれまで論じてきたが、乗用車 1台あたり数万点にも及ぶ自動車部品の種類は多岐に渡っており、一括りに議論することは難しい。そこで、自動車部品産業を分野別に分類し、各分野別の傾向や特徴を抽出することとする。

自動車部品業界における全般的な傾向として、今後、自動車部品メーカーに対しては何よりも開発力の強化が必要とされることはこれまでに言及した。そこで、まず、9つの自動車部品分野を、「成長性」と「開発力要件」という観点から検証し、その傾向・特徴をグルーピングする。

「成長性」とは、それぞれの部品分野に関し、今後どれだけ市場の成長が期待できるかを示しており、これが高いほど設備投資等の「成長リソース」が必要となる。(注1参照)

また「開発力要件」であるが、開発とは製品の効用を向上させる活動のことであり、効用はコストの削減、または機能・性能の向上といった形で表れる。開発力要件が高いほど、それぞれの部品分野において、コスト、または機能・性能といった製品の効用向上のための「開発リソース」が必要となることを示している。(注2参照)

加えて、「付加価値指数」を用いて、各部品分野においてコストと機能・性能のどちらがより重視されるのかを示している。(注3参照)

基本的には成長性が高いと見込まれている分野ほど、開発力要件が高く、開発リソースの投入による機能・性能面での製品力向上が要求される傾向にある。また、各部品分野は大きく 4 つのグループに分類される。

グループ1(駆動・伝動・操縦部品、電装部品)
成長性と開発力要件が共に高く、成長リソースと開発リソースの双方が必要とされる分野。該当する部品分野においては製品の機能・性能とコスト競争力のバランスが重視される。

グループ2(エンジン部品、懸架・制動部品)
成長性は低いが開発力要件が高く、成長リソースよりも開発リソースが必要とされる分野。該当する部品分野においては高付加価値なものが中心となり、機能・性能の向上が強く求められる。

グループ3(素材)
成長性は高いが開発力要件は低く、開発リソースよりも成長リソースが必要とされる分野。該当する部品分野においてはコスト競争力が重視される。

グループ4(内装部品、外装部品、用品、金型・治具)
成長性と開発力要件がともに低く、成長リソースと開発リソースの双方がそれほど必要とされない分野。該当する部品分野においてはコスト競争力が重視される。

次回は、現在、自動車部品業界で起こっている主要な変化を取り上げ、上記グルーピングがそれら変化とどういった関係があるかについて整理する。

注1:「成長性」は成長指数(「成長が見込まれない」と回答した人数に対する、「成長が見込まれる」と回答した人数の割合)の偏差値により判断した。

注 2:「開発力要件」は「開発力強化が必要」と回答した人数の偏差値により判断した。
注 3:「付加価値指数」は今後、「コスト競争力の向上が必要」と回答した人数に対する、「製品の機能・性能の向上が必要」と回答した人数の割合により判断した

<秋山 喬>

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