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コラム

くるま解体新書第10弾『中国で生き残る(2)』

弊社親会社であるアビームコンサルティング(旧デロイトトーマツコンサルティング)が、自動車業界におけるモノづくりから実際のチャネル戦略に至るまで、さまざまな角度から提案していく。

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第 10 弾は、中国自動車メーカーの調達戦略を 5 週に渡って紹介する。今回はその第 2 回にあたる。

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第 10 弾『中国で生き残る (2)』

(日刊工業新聞 2005年06月08日掲載記事)

中国市場の急激な環境の様変わりは、自動車メーカーと部品メーカーとの関係にも大きな影響を与えている。自動車メーカーの部品調達の今後の方針は系列別にどのような違いがあるだろうか。

部品調達の今後の方針に関しては、自動車メーカーが、部品メーカーを選定する上で重要視していることを質問した。重要度が最も高い評価を 4 点、低い評価を 1 点として得点化した。チャートの外側にあるほど重要度が高いことを表わしている。

全てに共通しているのは、「技術・開発力」、「品質管理基準資格」と、製品の技術と品質をまず最優先に考えているが、それは自動車メーカーとしては当然のことと言える。
まず日系自動車メーカーは、「製造拠点の立地・地域」と「自社との資本関係」を重視する。日系自動車メーカーの調達の現状、及び方針には進出形態が色濃く反映されている。日系自動車メーカーは欧米系自動車メーカーと比べて中国進出に遅れをとっていたため、信頼のおける国内の系列サプライヤーを引き連れて、中国での生産体制を急ピッチで立ち上げる必要があった。それが、製造拠点の立地、自社との資本関係の重視にもつながっているものと思われる。

つまりは、日本式調達方法を中国へと持ち込んだ格好である。但し、供給元部品メーカーは自動車メーカーからの依頼により、生産こそ中国へ移管したが、原材料、部品は日本から大半を輸入しているケースも想定されるので、日系自動車メーカーの実態としての現地調達率は、それほど高くはないと思われる。

次に、外資系自動車メーカーは、「中国国外での納入実績」と「中国での意思決定能力」を重視する一方で「中央・地方政府の政策や税制度」、「自社との資本関係」は重視してない。

日系ほど系列取引傾向の高くない外資系は、自社との資本関係をそれほど重視せず、中国での意思決定能力にポイントを置いた上で、これまで取引のない部品メーカーであっても、選定基準に合えば開拓するというドライ、且つマルチナショナルな姿勢が見て取れる。
最後に中国系自動車メーカーは、「供給体制」、「経営の安定性」、「安全性・環境規制の制度・政策への対応状況」、「他 OEM の情報とネットワーク」をより重視する。ここからは、中国政府の技術安全性や環境規制へ強化に対応した製品開発の必要性に迫られている実態が浮き彫りになった。

また、世界の自動車メーカーと激しい競争をしている中国系は、少しでも高いレベルに追いつくため、他の OEM に供給しているサプライヤーとの取引を通じて情報を収集するなど、貪欲な姿勢が見て取れる。そして、サプライヤーには技術力や生産効率より、むしろしっかりと届けてくれる(供給体制、経営の安定性)ことを重視するという点は、日本、外資系に比べると若干意識に遅れがあるように思われる。

<秋山 喬>

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